橋本大輝が3連覇 内村航平以来史上2人目 全てが盤石「粘り勝ち」 3種目トップ、王者に穴なし
「体操・世界選手権」(22日、ジャカルタ)
男子個人総合決勝が行われ、24歳の橋本大輝(日本生命・セントラルスポーツ)が6種目合計85・131点で3大会連続3度目の優勝を果たした。3連覇は2009~15年に6大会連続で制した内村航平以来、史上2人目。パリ五輪金メダルの岡慎之助(徳洲会)は合計81・797点で5位だった。
橋本は全てが盤石だった。得意の鉄棒を含めて3種目でトップ。日本勢の弱点種目とされるあん馬も2位、つり輪は4位と穴がなかった。百戦錬磨の対応力を安定感につなげ「粘り勝ち。最後の最後まで自分を信じて演技できた」と誇った。
床運動は多くの選手が中国製器具への対応に苦しんだ。橋本も予選の前方屈身2回宙返りで尻もち。しかし、中2日で修正して決勝は決めた。最後の跳躍技で着地を止め、今季導入された0・10点のボーナスを獲得。「大きかった」とうなずく好発進で勢いに乗った。
平行棒でもボーナス点を稼ぎ、岡と張博恒を上回って首位へ浮上した。最後は鉄棒。先に演技した張博恒とは13・902点差だった。コーチからG難度の離れ技「リューキン」を回避する安全策を提案されたが「前夜から、いろいろな展開を想定していた」と攻めの姿勢を貫く。圧巻の14・700点で王座を守った。
内村の6連覇を「まだ自分は半分か」と苦笑して受け止めつつ、背中を追うことは「人生の楽しみの一つ」だと語る。けがに泣いて6位で終えたパリ五輪後に休養も考えた日本のエース。苦い記憶は自らの力で塗り替えた。
◇橋本大輝(はしもと・だいき)2001年8月7日、千葉県成田市出身。世界選手権は市船橋高3年時の19年に初出場し、順大時代の22年に個人総合を初制覇した。21年東京五輪の個人総合を史上最年少で制し、種目別鉄棒と2冠。パリ五輪は団体総合金メダルに貢献し、個人総合は6位だった。167センチ、58キロ。





