大嶽部屋の消滅危機明かした師匠「大鵬親方の気持ちと反対の方向になってしまう」部屋存続で王鵬に「心配していない」

 大嶽親方(右)に花を渡す、代替わりで師匠を務める予定の熊ケ谷親方
 定年会見を行った大嶽親方
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 「大相撲秋場所・13日目」(26日、両国国技館)

 大嶽親方(64)=元十両大竜=が館内で会見。秋場所後の9月30日に65歳の定年を迎える。千秋楽翌日の29日付で熊ケ谷親方(元幕内玉飛鳥)と名跡を交換し、部屋の継承を託す。大嶽親方は定年後の再雇用制度を利用し、「熊ケ谷」を襲名して部屋付き親方になる。

 “昭和の大横綱”大鵬が創設した部屋を継承した。最初は先代の不祥事に対する、謝罪行脚から始まったという。「師匠は稽古よりも私生活に厳しかった。辞めても力士で良かったと思ってもらいたい。土俵は厳しいのは当たり前。生活面を大事にしていました」と語った。

 今回の継承には「実は最初は合併で話が進んでいた」と告白。2年前には大鵬さんの遺族、後援会から合併を了承されたという。ところが今年に入って、大鵬道場の消滅を残念がる声を聞き翻意。「よくよく考えたら、大鵬親方からは部屋を残してくれよということで託されているのに、私が部屋を潰してしまったら、大鵬親方の気持ちと反対の方向になってしまう。私はワンポイントのはずなのに」と、経緯を明かした。

 大嶽親方は「何とか部屋を残したい。二所ノ関一門の理事の親方の皆さんに全面的に協力していただいた。一番いい形で残していただいた。感謝しています」と語った。そして「熊ケ谷親方の部屋の片男波親方(元関脇玉春日)には本当にご理解いただいて、快く自分の部屋の親方を出してもらった。皆さんのおかげです」と、多くの協力に感謝した。

 部屋を継承する熊ケ谷親方には「新しい親方の部屋になるので、私がやってきたことをまねすることはない、全部お任せします」と信頼を寄せた。

 部屋には大鵬さんの孫3人が在籍する。部屋頭で幕内の王鵬に関しては「心配していない。彼は強くなるために、やるべきことを分かっている。最近は下の者に声を懸けて指導してくれる。責任感が出てきて安心しています」と語った。

 最後は熊ケ谷親方から記念の花束を贈られ、笑顔で受け取っていた。

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