リレー侍 夢散6位 豪雨の中激走も3大会ぶりメダルならず 桐生に右脚つるアクシデント「今回は僕の責任」ロス五輪で雪辱へ
「陸上・世界選手権・男子400メートルリレー決勝」(21日、国立競技場)
トラック最終種目の男子400メートルリレー決勝で日本(小池祐貴、柳田大輝、桐生祥秀、鵜沢飛羽)は38秒35で6位に終わり、3大会ぶりのメダルには届かなかった。1991年以来、34年ぶり2度目の東京大会で、日本は競歩の男子35キロで勝木隼人(34)=自衛隊、女子20キロで藤井菜々子(26)=エディオン=がともに銅メダルを獲得。週末を中心に5万人を超える大観衆が詰めかけ、9日間合計の来場者は約62万人に上った。
大雨の中、日の丸を掲げて歓声に感謝を示したリレー侍が、取材エリアでがっくりうなだれた。予選5位通過だった日本は、19年ドーハ大会以来3大会ぶりのメダル奪還に届かず。リレー主将を務めた桐生は「走り出した瞬間に右ふくらはぎが、つってしまった」とアクシデントを明かし、「ちゃんと走っていればメダルはいけた。今回は僕の責任。なんでここでやってしまったのかな」と消え入りそうな声で話し、うつむいた。
予選から同じメンバーが出走。スタートの小池からスピードは上がり切らず、2走・柳田とのバトンもわずかに詰まった。3走の桐生は負傷の影響で普段のキレは潜め、全8カ国の中で最も遅いタイム。アンカー鵜沢が必死に耐えて6位でゴールに飛び込んだが、大会前に定めたメダル獲得ラインの37秒30には1秒05も届かなかった。
4年前の21年東京五輪でバトンがつながらなかったリベンジは果たしたが、また違う悔しさがこみ上げる結果となった。桐生は「東京五輪は(失格で)順位にもなっていない中で、今回は『決勝は桐生で行く』と決まった。そこで期待に応えられなかった。なんて話していいのか分からない」と最後まで後悔の言葉が止まらなかった。
34年ぶりに開催された東京での世界選手権は、銅メダル2個、入賞9、四つの日本記録が生まれた。リレー侍は悔しい結果となったが無観客だった東京五輪とは変わり、国立競技場に集まったファンの心を打ったことは間違いない。「リオ五輪からメダルを取って、陸上が盛り上がった次につなげるためにも火種をつけていくのが大事」と覚悟を語っていた桐生。表彰台を逃した無念は、必ず28年ロサンゼルス五輪で晴らしてみせる。





