車いすテニス男子・小田凱人 史上最年少19歳で生涯GS 空に雄たけび「キャリアで一番かもしれない、きつい試合」
「テニス・全米オープン」(6日、ニューヨーク)
車いすの部シングルス決勝が行われ、男子は第1シードの19歳、小田凱人(ときと)=東海理化=が第4シードのグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)に6-2、3-6、7-6で勝って初優勝し、四大大会とパラリンピックを全制覇する「生涯ゴールデンスラム」を史上最年少で達成した。男女シングルス(上下肢障害を除く)で史上3人目、同種目では国枝慎吾以来で今大会はダブルスとの2冠に輝いた。四大大会は3連勝で通算7勝目。女子は第1シードの上地結衣(三井住友銀行)が第3シードの李暁輝(中国)に0-6、6-1、6-3で逆転勝ちし、8年ぶり3度目の優勝を果たした。
苦しんだ末に歓喜の瞬間が訪れた。小田が生涯ゴールデンスラムを成し遂げた。「キャリアで一番かもしれない、きつい試合」を制すと、車いすごと倒れ、空に向かって雄たけびを上げた。
今大会優勝したダブルスのパートナーで、互いに手の内を知る相手だった。最終セットはタイブレークまでもつれ、計4度マッチポイントを握られた。最後は49本目のウイナー(決定打)で2時間を超えた熱戦にけり。死闘を制したパリ・パラリンピック決勝からほぼ1年、スピーチでは時折涙ぐみながら「あの時の試合を多分超えられた」と思いを語った。
20歳を前に主要タイトルを、ことごとく手中にした。それでも、意欲は衰えておらず「日本でもっと車いすテニスを広めたい。四大大会でも認められたい」と言って、パラスポーツ界の新リーダーは目を輝かせた。
◇小田凱人(おだ・ときと)2006年5月8日、愛知県一宮市出身。9歳で左股関節に骨肉腫を発症、車いす生活に。10歳で競技を始め、15歳でプロに転向した。23年全仏オープンの男子シングルスで四大大会史上最年少優勝。四大大会は通算7勝。昨年はパリ・パラリンピックで金メダルを獲得した。





