新体操日本代表が２６日、世界選手権を終えて開催地のリオデジャネイロから成田空港に帰国した。５大会連続出場をのがした昨夏のパリ五輪から１年。団体総合で日本勢初の世界一、種目別リボンで銀メダルを獲得した。鈴木歩佳主将が「去年の悔しさがあったから世界選手権に笑顔で立つことができた。強い気持ちで今季を乗り越えて取れた金メダル。うれしい」と涙を流して実感を込めると、他のメンバーもつられて目を赤くさせた。

　村田由香里強化本部長の威圧的指導でチームは一度分裂しかけたが、山崎浩子前強化本部長を助言役に置く新体制で再始動。選手の希望を多く取り入れた練習メニュー、“フェアリー会”と称したバーベキューやカラオケ大会を通した団結力アップなどでチームの結束力を高め続けた。６月の石垣島合宿で学んだ「エイサー」を盛り込んだリボンの勝負曲「島唄」も世界から高評価。芸術点が上がり、今回の快挙につながった。

　２８年ロサンゼルス五輪に向けた大きな１歩を踏み出したフェアリージャパン。来年からは五輪出場枠を争う勝負が始まる。鈴木主将は「五輪につながる結果になった。ここで止まるんじゃなくて常に上位に入れるようにしたい」と気を引き締めた。