張本智和が世界王者下しV 2勝12敗、直近8連敗の相手を最大の武器封印で圧倒 喜び爆発「うれしいより信じられない」
「卓球・WTTチャンピオンズ」(11日、横浜BUNTAI)
男子シングルス決勝は、パリ五輪代表で世界ランク4位の張本智和(22)=トヨタ自動車=が、今年の世界選手権王者で同2位の王楚欽(中国)を4-2で撃破し、優勝した。チャンピオンズでは、初開催された2022年ブダペスト大会以来3年ぶり2度目のタイトル。準決勝では同31位のカナク・ジャ(米国)を4-1で下した。中国勢対決となった女子の決勝は陳幸同が孫穎莎を4-2で破って優勝した。
右拳を下から高く振り上げ、叫び、Tシャツを脱いで感情を爆発させた。張本智が、過去2勝12敗、直近で8連敗していた王を撃破。卓球台に勝利のキスをすると、日本初開催の横浜の地でつかんだ2度目の優勝をかみしめ「うれしいより、信じられない」とほほえんだ。
戦術を大きく変えて勝利をつかんだ。「王はチキータを倍にして返してくる」と試合開始からチキータを封印。これまで3~4球目で得点されて負け続けた反省を生かし、この日は最大の武器を使用せずに攻め込んだ。
作戦は大成功だった。序盤から流れを掌握すると、何度もラリーを制して3ゲーム連取。第6ゲームは膝を痛めて、メディカルタイムアウトを取って試合を中断して治療するアクシデントがあったものの、再開後も主導権を渡さず11-4で押し切った。
5月の世界選手権は3回戦敗退を喫したが、今大会で世界王者に競り勝ち、また一つ殻を破った日本のエース。「(中国勢に)空けた穴をもっと大きくしていきたい」。3年後のロサンゼルス五輪につながる大きな1勝を挙げた。





