バドミントン 8月ペア解消のシダマツ国内最終戦で快勝発進「最後最後と思いすぎず…」
「バドミントン・ジャパン・オープン」(16日、東京体育館)
女子ダブルス1回戦が行われ、昨夏のパリ五輪銅メダルで、今年8月の世界選手権(パリ)を最後にペア解散を表明している“シダマツ”こと志田千陽、松山奈未組(再春館製薬所)が、国内最終戦に臨んだ。廣上瑠依、保原彩夏組(ヨネックス)に2-0で勝利した。
特別な思いでコートに立った。シダマツは第1ゲームを21-13で奪うと、第2ゲームも10点差をつけて圧倒。ミスが出てもお互いに声をかけ合い、点が入るたびに2人で手を合わせて気持ちを高め合った。最後の国内戦をかみしめるように、プレー中には笑みがこぼれる。試合終了後には会場から大きな拍手が送られ、2人は笑顔で手を振って応えた。
「最後最後と思いすぎず、と思っていたけど、やっぱりこの雰囲気で試合がしたい気持ちが生まれてきた。初戦としては良いパフォーマンスができた」と志田が実感を込めれば、松山も「緊張感があっても良いプレーができてよかった」とうなずいた。
志田が高校1年、松山が中学3年で参加した14年のジュニア日本代表合宿を機にペアを組み始めた。思いきりのいい松山の前衛と、志田の粘り強いカバー力を掛け合わせたスピードのある展開が持ち味。結成10年目の迎えた昨夏のパリ五輪では、銅メダルを獲得した。
ただその後は世界一を志す志田と、モチベーション維持に苦しんだ松山との間に目標の相違が生まれた。スタッフを含めた話し合いの末に、解散を決断。8日には熊本県内で会見を行って報告し、志田は「解消と聞くとネガティブなイメージがついてしまうが、私も松山とペアを解消するのは寂しさもあるが、それ以上に感謝の気持ちが大きい」と口にした。
世界選手権がペアとして最後の大会で、国内最終戦はこのジャパン・オープンとなる。「自分たちらしいプレーを見せたい」と松山。快勝発進を決めたシダマツが、日本のファンの前で有終の美を飾る。





