大の里 大鵬&千代の富士に続く新会場優勝だ!13日IGアリーナ初日 富士の朝日、風神、雷神の三つぞろい化粧まわしも
「大相撲名古屋場所」(13日初日・IGアリーナ)
日本相撲協会は11日、取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。3場所連続優勝を狙う新横綱大の里(25)=二所ノ関=は初日に新小結欧勝馬、2日目に東前頭筆頭の安青錦の挑戦を受ける。ともに初顔合わせとなる。過去に新会場で優勝した大鵬、千代の富士に続き、大横綱への第一歩へ-。愛知県安城市役所で行われた化粧まわし贈呈式に出席した大の里は、平常心で「頑張ります。しっかり準備します」と誓った。
かねて部屋が支援を受ける住宅会社のアイ工務店(大阪市)から、横綱として初めて贈呈された土俵入りで使う三つぞろいの化粧まわし。大の里は柔和な表情で「この化粧まわしをつけて土俵に立つことに今からワクワクしています」と感慨を口にした。
自身の化粧まわしは富士山と朝日が描かれ、太刀持ちに風神、露払いは雷神が描かれた。富士山は頂点に立つ誇りと気高さ、朝日は歴史の始まりとさらなる飛躍への願いが込められた。大の里は「本当にかっこいいし、綱を締めて似合うと思う」と喜んだ。
2年前から部屋が宿舎を構える安城市の三星元人市長は「2年前は初土俵の次、昨年は初優勝を果たした後だったのが、昨日のことのよう。そして今年は横綱昇進。この2年間、時間の感覚が狂うくらいの勢いでビックリする」とあいさつ。昭和以降最速となる所要13場所で横綱に昇進した大の里の成長に驚いた。
その上で、昨年まで使用された愛知県体育館で、初開催された1965年の優勝者が大鵬だったことを挙げ「IGアリーナ最初の優勝者は歴史で一人。このIGアリーナでの名古屋場所から大横綱の歩みが始まったと、伝説になる活躍を期待したい」と語った。
大横綱と新会場は縁深い。東京では、蔵前国技館から移った両国国技館で初開催された1985年初場所は千代の富士が優勝。地方の九州場所では、九電記念体育館から福岡国際センターに移った1981年も千代の富士が優勝している。大鵬、千代の富士に続く期待がかかるのも、大の里の勢いなら当然の成り行きだろう。
二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「新横綱としていい成績を、千秋楽にいい報告ができるよう頑張ります」と決意表明。自身は2017年春場所で新横綱優勝を果たしており「緊張感がありルーティンも変わるが、いい方向に進んでほしい。大関時代と変わらずに集中すれば大丈夫」と期待を寄せた。
初日の相手は新小結欧勝馬。十両では2戦2勝も、幕内では初対戦。2日目に組まれた安青錦は新入幕から3場所で東前頭筆頭に駆け上がった新鋭で、十両を含めて初対戦となる。2日連続での初顔、周囲からの期待。さまざまな重圧がかかる。それでも大の里は「頑張ります。しっかり準備します」と平常心を崩さなかった。
◆IGアリーナ 名古屋市北区にある多目的アリーナ。大相撲名古屋場所はアリーナ開業後最初のイベントとして行われる。アジア最大規模とされ、天井高は約30メートルある。総席数は約7800席で、15日間のチケットは既に完売。9月14日にはボクシングの世界スーパーバンタム級主要4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が、WBA同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との防衛戦に臨む。





