田中希実 大会新記録4連覇!世界選手権代表入り ぶっちぎり14分台「国立でお見せすることができたのは、自分としても財産」

 世界陸上への切符を手にした田中希実(撮影・石井剣太郎)
 女子5000メートル決勝を制した田中希実
2枚

 「陸上・日本選手権」(4日、国立競技場)

 女子5000メートル決勝で14分29秒18の日本記録を持つ田中希実(25)=ニューバランス=が14分59秒02の大会新記録で4連覇し、日本陸連が定める選考基準を満たして世界選手権の代表入りを決めた。800メートルで女子の久保凛(東大阪大敬愛高)と男子の落合晃(駒大)、女子400メートルのフロレス・アリエ(日体大)らは予選を通過し、5日の決勝に進出。男子110メートル障害で、13秒04の日本記録を保持する泉谷駿介(住友電工)は13秒19の全体トップで5日の決勝に進出した。

 国立競技場が絶対的女王の独壇場と化した。田中が、福士加代子の記録(15分5秒07)を塗り替える大会新記録を樹立。ぶっちぎりで4連覇を決め「すごくほっとしている。日本選手権で14分台という日本人初の姿を国立でお見せすることができたのは、自分としても財産になった」と納得の表情を浮かべた。

 「確実に世界陸上の即時内定を頂けるような結果を」と挑んだ。スタートを切ると、序盤は広中の後ろにぴたりと付く。その後は「余裕がある場合はラスト4周を上げようと思っていた」とプラン通りに激走。広中をさっそうと抜き去り「自分のしたいレースをしようと思って走り切れた」と、後続を大きく離してゴールを駆け抜けた。

 予選で敗退した昨夏のパリ五輪の屈辱を晴らすべく、ムチを打ってきた。今季の前半から、例年以上に国際大会に出場。ダイヤモンドリーグに加え、グランドスラムにも参戦した。「気持ちの持ちようが難しい。自分を見失うところは多かった」と苦悩続きの日々。それでも「力と実力はすごく上がっている」と手応えもあった。

 「日本選手権へのモチベーションは難しくなっている」と話す。世界を意識するあまり、目の前がぼやける時もあったと言うが「日本選手権だからこそしっかり。テーマを持てた」と挑んだ。福士の記録を超えることも一つの軸に快走した。

 3位以内が条件だった種目で、まずは世界切符を勝ち取った。5日には6大会連続の頂点がかかる1500メートル予選が待ち受ける。「最近は国内でもレベルが上がりつつある。予選突破も一つのカギになってくると思うので、集中して臨みたい」。世界の頂点を目指す田中が、まずは日本の二つの頂へ駆け上がる。

 ◆田中希実(たなか・のぞみ)1999年9月4日、兵庫県小野市出身。西脇工高から同大に進学した。18年世界ジュニア選手権3000メートルで金メダル。21年東京五輪1500メートルでは、日本人初の決勝進出を果たして8位入賞した。24年パリ五輪は1500メートルと5000メートルに出場。1000~5000メートルなど複数の日本記録を保持する。153センチ。父はコーチも務める健智さん、母は1997、2003年の北海道マラソンを制した千洋さん。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス