豊昇龍 さすらい横綱宣言「明日からずっと部屋にいないと思う」横綱初Vへ出稽古で仕上げ 大の里に賜杯譲らん
「大相撲名古屋場所」(13日初日、IGアリーナ)
横綱豊昇龍(26)=立浪=が2日、名古屋市南区の部屋で稽古を行った。立浪部屋で場所前の本格的な稽古を行うのはこの日が最後だと明かし、出稽古で仕上げる“さすらい横綱”と化すことを宣言。新横綱大の里(25)=二所ノ関=に注目が集まる中、先輩横綱が意地を見せようとしている。
稽古を終えた豊昇龍はキッパリ宣言した。「明日から出稽古に行こうと思っている。関取が集まるところに行こうかな。明日からずっと部屋にはいないと思います」。2日目までの割りが決まる11日の取組編成会議から、各部屋は調整モードに入るのが通例。10日まで1週間以上を出稽古に充てるつもりだ。
豊昇龍はこれまでも場所前に出稽古を行ってきたが、立浪部屋での調整等を挟んでいた。大の里に注目が集まる中、自身は横綱3場所目。“横綱初優勝”は譲らない意気込みが伝わってきた。
この日は四股、てっぽう、チューブを用いたトレーニングを行った。幕下力士に胸を出し、相手の当たりを押し戻す稽古で汗を流した。状態は「まあ普通」と、まずまずの様子だった。
幕下同士の申し合いを見ながら、足の運び、立ち合いの腰の位置など、具体的な技術面の課題を次々に指摘する場面も。「間違っているところがある。聞く耳があったら直ると思いますよ」と、部屋頭の自覚も見せた。
横綱として過去2場所は浮き沈みが激しかった。春場所は新横綱として栃ノ海以来61年ぶり三つの金星配給を喫し、双羽黒以来39年ぶりの途中休場に終わった。夏場所は12勝を挙げ、千秋楽は大の里の全勝優勝を阻止し、意地を見せた。
先場所の手応えを問われた豊昇龍は「終わったこと。次の場所に集中するだけ。人は終わったことにこだわると前に進めない」と信念を掲げた。
名古屋は23年に初優勝と大関昇進を決めた場所。自ら「以上!」と取材を打ち切ると、「明日から(立浪)部屋に来てもオレはいないから」と言い残して姿を消した。





