井上康生氏「若干驚きあった」愛弟子ウルフ・アロンのプロレス転向にエール「心から応援」「生きる道は人それぞれ」来年1・4デビュー戦観戦も視野

 2000年シドニー五輪柔道男子100キロ級金メダリストで柔道男子日本代表前監督の井上康生氏(47)が2日、神奈川県平塚市で取材に応じた。東海大柔道部や日本代表で指導した21年東京五輪同階級金メダリストのウルフ・アロン(29)がプロレスラーに転向することを発表したが、「彼なら素晴らしいプロレスラーになって、皆さんにいろんなものを与えてくれる存在になるんじゃないかと楽しみにしている。心から応援しています」とエールを送った。

 井上氏は昨夏のパリ五輪が終わってしばらくした後、ウルフからプロレス挑戦の意向を聞かされたという。「若干の驚きはあったが、彼は(元々)いろんなことをチャレンジングにやる子だし、そういう世界もあってもいいんじゃないかと思ったので、そこまでえーっ!というもの(大きな驚き)はなかった」。

 性格やポテンシャルも熟知している愛弟子の新たな決断を後押ししたが、「人それぞれ、(個性が)生きる道はそれぞれにあるんじゃないかと。大事なのは、われわれはスポーツや柔道から学んだことを、次のステージや社会にどう生かしていけるかが本来の目的なので。そういう部分では、彼自身が新たに挑戦するステージで活躍していただき、柔道で培ったものを(五輪等で)皆さんにお届けしたのと同様に、夢や希望を与えたり、また自分自身の人生の豊かさを広げていきながらチャレンジしてもらいたい」と“親心”をにじませた。

 正式にプロレス転向が発表された後、ウルフと直接会って話す機会もあった。「(来年)1月4日にデビュー戦を東京ドームでやるということで『先生、来てください』と言っていたので、チャンスがあれば(行きたい)。『先生、すごく難しいです。(柔道と)全然違う世界です』と言っていたが、人生もそうだし、(柔道時代も)いろんな壁と戦いながら乗り越えてあの地位を築いたと思うので。彼ならまた素晴らしいプロレスラーになって、皆さんにいろんなものを与えてくれる存在になるんじゃないかと楽しみにしている。そんな(ファンの)1人になりたい」と、大きな期待を込めた。

 ウルフは6月に柔道選手を引退し、同月23日に新日本プロレス入団会見を行った。日本の五輪金メダリストとして史上初のプロレスラー転向となり、来年1月4日の東京ドーム大会でのデビューも決定。大学時代から憧れていたという新日本入りを果たし、「なぜプロレスを?と聞かれたら、好きだからです。試合前、試合、試合後、すべての生き様をみせるのがプロレス。ウルフ・アロンという私を表現できるのもプロレス。まずは一から土台をつくっていきたい」と語っていた。

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