大の里 新横綱V狙う&3場所連続 師匠・稀勢の里&師匠の師匠・隆の里に続く!「親方に近づけるように」
日本相撲協会は30日、大相撲名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)の番付を発表した。夏場所で2場所連続4度目の優勝を飾り、第75代横綱に昇進した大の里(25)=二所ノ関=は西に座った。愛知県安城市の二所ノ関部屋で会見。師匠である稀勢の里(現二所ノ関親方)、師匠の師匠である隆の里に続く3代での新横綱優勝へ意欲を示した。
故郷の石川県津幡町での横綱昇進パレードから一夜明け、大の里に疲労の色はなかった。穏やかな表情で「番付表に名前が載って、やっと横綱になったんだなという実感が湧きました」とほほ笑んだ。
日本出身の新横綱は稀勢の里以来8年ぶり。新横綱優勝と3場所連続制覇が懸かるものの、年6場所制となった1958年以降に昇進した豊昇龍までの30人中、新横綱優勝は大鵬、隆の里、貴乃花、稀勢の里、照ノ富士の5人しかいない。大関時代から3連覇すれば大鵬、貴乃花に続き3人目。3場所連続優勝は2014年秋場所の白鵬が最後だ。
隆の里、稀勢の里に続く3代制覇に「目の前の一番を大切にしていけば、おのずと結果は出てくる」と平常心を強調しつつ、過去の名古屋場所での苦戦を挙げ「あまり良くない場所だからこそ、成績が良かったら、自分が強くなったと実感できる。そのためにもこの場所は大事」と、新横綱場所からの賜杯へ意欲を隠さなかった。
名古屋場所は23年は幕下で4勝3敗、初優勝を遂げ関脇として臨んだ昨年は9勝止まり。相性は良くないが「昨年は5月に優勝して、自分の中で少し満足していた部分もあった」と述懐した。
その中で当時の反省を生かし、夏場所は初の連覇と昇進を決めた。所要13場所の最速昇進記録が注目され、今場所は横綱が大関を兼ねる「横綱大関」と記載された。会場はドルフィンズアリーナ(名古屋市中区)からIGアリーナ(名古屋市北区)へと変わる。地方場所の会場変更は81年九州場所(九電記念体育館から福岡国際センターに移転)以来だ。
記録男らしく、数字がつきまとう大の里。名古屋の猛暑は天敵なだけに「前の体育館はすごい暑かった。多分設備も整っていると思う」と、新会場を歓迎した。
前日のパレード後に師匠から「成長途上で、まだ50%くらい」と評されたように、可能性は無限。「変わる必要がない」と、昇進後も若い衆と同じ時刻から稽古に参加し、四股など基礎で汗を流し続ける。
稀勢の里が新横綱優勝を果たしたのは17年春場所。大の里は「高校生の時、親方が優勝した瞬間を見ていた。新横綱優勝はあまりないので、親方に近づけるよう頑張りたい」とキッパリ。大の里は真摯(しんし)に相撲と向き合う。





