柔道 阿部一二三 足取り解禁も「正面から投げにいく技で勝負」初挑戦の全日本選手権に「ワクワク」
体重無差別で争う柔道男子の全日本選手権(29日・日本武道館)に出場する有力選手が28日、都内で前日会見に出席した。
昨夏のパリ五輪66キロ級2連覇の阿部一二三(パーク24)は、初出場する。全日本選抜体重別選手権で違和感が出た左肘については「体の調子はいい」と回復を強調し、「世界選手権、五輪のワクワクというより、純粋に自分の柔道がどこまで通用するんだろうといういつもと違ったワクワクがある。楽しみ」と心境を語った。
現在の体重は「72キロ」。「体を大きくして挑むと関節の可動域が狭くなったりしてしまう」と普段の66キロ級から大幅な増量はせずに、パフォーマンスが最大限に発揮できる状態で臨む。今年から旗判定に加え、足取りが解禁されるが「足持ち、(旗)判定のルールあるけど、正面からしっかり自分の投げにいく技で勝負していきたい。会場を盛り上げて、1つでもしっかり勝てるように頑張りたい」と自分の柔道を貫く姿勢を示した。
これまで推薦での出場チャンスはあったが、五輪3連覇の目標を掲げる中で怪我のリスクも考慮し、なかなか出場に踏み出せなかった。ただ今年は次の28年ロサンゼルス五輪まで、まだ3年の猶予がある。「一度は柔道家として立ってみたい舞台。最初で最後のつもり」と、無差別の大舞台への出場を決めた。
初戦は2階級上の佐藤佑治郎(山形県警)と対戦する。これまで“負けられない戦い”を続けてきた阿部にとって、久しぶりに挑戦する気持ちを前面に出して戦うことができる。「いつもよりさらに大きい柔道というか、豪快さ、自分の技を全力でかけにいく、そういう戦いをしたい」と胸を躍らせつつ、「自分より上の階上の選手と戦った気持ちは、今後の自分の柔道にプラスされると思う。しっかり勝ち上がって、100キロ超級だったり、そういう選手と戦えるようにしたい」と意気込んだ。





