スノーボード男子ハーフパイプで、２２年北京五輪代表の平野流佳（２３）＝ＩＮＰＥＸ＝が２２日、都内で行われたヨネックスのシーズン祝賀会に出席した。今季は世界選手権で銀メダルを獲得し、ワールドカップ（Ｗ杯）では種目別３連覇。集まった関係者から立食形式のパーティーで祝福され、ミラノ・コルティナ冬季五輪が開催される来季に向けて気持ちを高めた。

　祝賀会前の取材では、金メダルを目指すミラノ・コルティナ五輪に、トリプルコーク１４４０（斜め軸で縦３回転、横４回転する大技）を続けて２回連続で実施する“世界最高難度”のルーティンで挑むことを明かした。

　「トリプルコークのコンボは、金メダルを取るには絶対にいる。（現在最高難度の構成を持つ）韓国選手はトリプルコークのコンボはできるけど、スイッチバック（逆スタンスで背中側に回転する技）がない。自分ができたら上回れるのかな」

　同技は北京五輪当時、金メダルの平野歩夢しか成功者がいなかったが、３年が立った今は世界のレベルは上昇。国際大会の表彰台に立つために必須の技となった。来季はさらなる技の争いが予想され、そこで勝ちきれるように今オフから世界最高難度の構成を練習していく。

　今季終了後は岐阜・高鷲スノーパークで合宿を行い、苦手としていたフロントサイドトリプルコーク１４４０を初成功させた。得意としてるキャブ（逆スタンスで正面に腹側に回転する技）トリプルコーク１４４０と合わせて大技を２種類、体得したことになる。「来季が始まるまでに技をつなげられるように」。現在は単発での成功にとどまっているものの、今後は５月に予定している米国合宿などで精度を高め、来季が始まるまでに２連発で実施できるようになることが目標だ。

　北京五輪では決勝３本の試技で全て転倒し、１２位に終わった平野流。悔しさをバネに今ではＷ杯種目別３連覇中と、五輪金メダル候補にまで成長した。「今年以上の滑りをして、良い結果につながれば」。五輪の借りは五輪でしか返せない。世界最高難度のルーティンを引っ提げ、２度目の夢舞台でリベンジに挑む。