美ノ海 1敗キープも重圧なし 沖縄出身力士初優勝の期待にも自然体「ただ勝つだけでは意味がない」
「大相撲春場所・8日目」(16日、エディオンアリーナ大阪)
平幕の高安が横綱豊昇龍を押し倒し、2年半ぶりに6個目の金星を獲得した。一山本をはたき込んだ大関大の里、御嶽海をはたき込んだ平幕美ノ海とともに賜杯争いトップの1敗を守り、大関経験者が勝ち越しに王手をかけた。初のかど番で臨む大関琴桜は苦手の小結霧島を寄り倒し、3連勝で5勝3敗とした。トップの3人を追う2敗は平幕の尊富士、玉鷲、明生。
美ノ海は1敗をキープしても「上が連勝すれば目立たない、上がこけたから目立つ。僕はいつも通り」と意に介さなかった。御嶽海に押し込まれながら、左に回り込んではたき込んだ。
左で前みつを取る形を学生時代から信条とする。警戒され続けたが、今場所で初めて取れかけたと語り「立ち合いで左を触れたので、半歩、一歩余った。触れていなかったら危なかった」と、逆転の場面を振り返った。
沖縄出身力士での初優勝など期待がかかる中「応援してくれる人に喜んでもらえるのはうれしいけど、そういうのは雑念になる。土俵に持ち込むのは苦手」と自然体を強調。場所後半に向け「次は左を取ったらすぐに引きつけて、精度を上げたい。ただ勝つだけでは意味がない。自分の地力につながって、やりたいことをいかにできるか」と語った。





