今田 元幕内力士の長男、柔道全米王者から転身 寺尾さんに憧れた今田が前相撲で完勝発進
「大相撲春場所・3日目」(11日、エディオンアリーナ大阪)
前相撲が行われ、元幕内安芸乃州の長男、今田(24)=音羽山、本名・今田光星=は山内(田子ノ浦)と対戦。突き倒して初土俵を白星で飾った。
父が付け人を務めた元関脇寺尾の先代錣山親方(本名・福薗好文さん)に憧れ、留学先の米国でUSオープンを制した柔道から転向した今田。先代錣山親方の弟子である、小結阿炎が初日に横綱豊昇龍を破った取り口を参考に、もろ手突きから休まず勝負を決めた。
既に入門から3場所が経過しているだけに「やっと出られたという気持ちが一番。教えていただいたことをやるだけでした。もっと突きたかった。まだまだだと思います」と気を引き締めた。
柔道時代に親交があるパリ五輪銀メダリストの村尾三四郎からは前日に「頑張れ」と連絡があった。中大相撲部で活躍する弟、母に会場で見守られた。父からは「師匠の言うことをきいて頑張りなさい」と言われた。
安田学園中3年で全国中学校体育大会で団体日本一に輝いた安田。「土俵は臨場感があって相撲ってすごいと思った。日本武道館に似た感じでした」と、当時を思い出しながら、感慨を口にした。日体大の柔道部にも出稽古していた縁で、同い年の大関大の里からは食事に誘われているという。講道館で柔道を始めただけに「講道館から初の力士と言われているので、頑張らないと」とも語った。
休学中のネバダ州立大学では物理を学び、宇宙ロケット製造を志したという今田。この日は東日本大震災から14年の節目を迎え、当時は都内の自宅で強い揺れを感じたことを回想。「アメリカンではカリフォルニア州に住んでいたこともあるので、山火事の被害を見ると常に備えていかないといけない」と語った。
24歳の遅い挑戦だが、相撲への意気込みは強い。“第2の父”と幼い頃から慕っていた寺尾さんに報告するため、土俵でさらなる活躍を見せる覚悟だ。「部屋にも若い子が多いので、若い力をもらいながら頑張りたい」と意気込んだ。





