豊昇龍 横綱初星!初日の完敗一転 難敵・若隆景を堂々寄り切った「しっかり当たることを意識した」
「大相撲春場所・2日目」(10日、エディオンアリーナ大阪)
新横綱豊昇龍が若隆景を寄り切り、横綱初勝利を飾った。初日の小結阿炎戦の完敗から一転、盤石の内容だった。2大関は大の里が小結霧島を押し出して2連勝、かど番の琴桜は豪ノ山を寄り切って連敗を免れ、上位陣に土がつかなかった。また、新弟子検査の合格力士による前相撲が始まり、第31代横綱常ノ花のやしゃごにあたる山野辺(15)=出羽海=が白星デビューを飾った。
これが豊昇龍だ。突き刺すような立ち合い、押し込んで右を差し、難敵の若隆景を寄り切った。「しっかり当たることを意識した」と狙いを明かし、横綱初星を「ほっとした」と喜んだ。
初日は阿炎に対し、中途半端な立ち合いから電車道で突き出される惨敗。1995年初場所の貴乃花以来の新横綱黒星発進を喫したが「終わって緊張が抜けた。昨日は(自分に)何を考えているんだ、と思った」と反省を生かした。
師匠の立浪親方(元小結旭豊)の「スイッチが入っていない。顔つきもらしくない」という心配を払しょく。先場所で痛めた右肘のサポーターは外し、蜂窩(ほうか)織炎で右腕の一部が腫れながらも問題がないことを強調した。
2018年に初めて番付に載った春場所。宿舎を構える住吉大社を巡り「優勝させてください、って祈ったんだけど6勝1敗で終わったんだよ」と述懐した。序ノ口優勝は直接対決で敗れた王鵬に譲ったが、横綱に成長して戻って来た。
昨年1月に豊昇龍の悪態を厳しく注意し、今は“日本の母”と慕われる久保田るりさんは、初日にダウン症の息子・輝哉さんとともに観戦。「横綱は聞く耳を持っている。リラックスしていたから大丈夫」と話していた。1日遅れの勝利を届けた横綱は「昨日は勝てなくてゴメン、と謝ったんだよ」と語った。
初日の取組後と同様に落ち着いていた豊昇龍。「今場所は何より勉強。プレッシャーを体で感じたい」とテーマを明かした。