横綱常ノ花のやしゃご・山野辺が白星デビュー「実力で上がっていきたい」

 二川(左)を攻める山野辺(撮影・西田忠信)
 二川に勝利した山野辺(撮影・西田忠信)
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 「大相撲春場所・2日目」(10日、エディオンアリーナ大阪)

 第31代横綱常ノ花のやしゃご(孫の孫)・山野辺(15)=出羽ノ海=が前相撲で初土俵を踏み、二川(錦戸)をはたき込みで下してデビュー戦を白星で飾った。

 前相撲とはいえ、観客の目の前で取るプロの相撲に「緊張はしていました」。立ち合いから強くぶつかったが、相手を押せないと見ると、初陣とは思えない冷静さで引き技を繰り出した。初勝利にも淡々とした表情で「押せなかったのは良くなかった。引きで逃げたから次は押せるように」と、控えめに振り返った。

 曽祖父は常ノ花は大正末期から昭和初期に活躍し、史上初めて優勝10度の大台に到達。引退後は藤島親方(のちに出羽海親方)として日本相撲協会理事長も務め、戦後の大相撲復興に尽力した。偉大な横綱の血を引く山野辺はデビュー前から注目を集めていたが、「話題性だけの力だけじゃなくて、実力で上がっていきたい」と向上心をのぞかせる。

 理想の力士は曽祖父ではなく若元春と若隆景。「若元春さんのがっぷり組む相撲が好きで、若隆景さんはかましていって色んなことができる」と大波兄弟の相撲が好み。曽祖父は約100年前に活躍した力士だけあって、「常ノ花さんのことは分からない」と正直に話す。だが、目標は「おじいさんの地位に行きたい」と常ノ花が君臨した番付の一番上だ。

 記念すべき初土俵だったが、母の百合子さんは応援には駆け付けずネット配信を見ているという。というのも、山野辺は照れ笑いを浮かべながら「無駄に緊張したら嫌なんで」という理由で、番付表に名前が載る夏場所からの応援をお願いした。

 身長168センチ、体重は80キロ台と体はまだまだ発展途上。それでも、プロの世界は関係ないと自覚する。「力士は無差別なので、体が大きくても小さくても関係ない」と力を込めた。

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