丸山城志郎が現役引退 阿部一二三と伝説の24分間死闘も五輪届かず「濃い柔道人生だった」世界一美しい内股で2度世界制覇

 柔道男子66キロ級で世界選手権を2度制した丸山城志郎(31)=ミキハウス=が17日、現役引退を発表した。所属を通じて「本日、2月17日をもって柔道選手を引退することを決意いたしました。これまでたくさんの応援を本当にありがとうございました」と報告。25日に大阪府八尾市で引退会見を行う。

 丸山は世界一美しいといわれる得意技の内股を武器に海外勢には無類の強さを誇り、世界選手権は19年に初出場し初制覇。東京五輪に向けては、同じ66キロ級のライバル阿部一二三(27)=パーク24=とのし烈な代表争いを演じ、一時は直接対決3連勝でリードした。

 2020年12月13日、史上初めて開催された阿部との一騎討ちによる東京五輪代表決定戦(講道館)では、本戦の4分間では決着がつかず、ゴールデンスコア方式の延長戦に突入。極限の緊張感の中で一進一退の攻防を繰り広げたが、延長20分に阿部の大内刈りによる「技あり」で勝負が決し、五輪代表を逃した丸山は涙。ただ、ワンマッチによる24分間の死闘は、柔道史に残る歴史的一戦となった。

 丸山は21年世界選手権で2連覇し、24年パリ五輪を目指したものの、阿部との直接対決で5連敗を喫するなど、五輪切符をつかめなかった。昨年2月のグランドスラム(GS)パリ大会で2位に輝いたのが現役最後の試合となった。

 引退表明に際してコメントを発表し、「3歳から柔道をはじめ、オリンピック優勝を目標として、日々稽古に励んできました。結果、その夢は叶いませんでしたが、どんなに苦しい時も闘い抜くことができたのは、いつも応援してくださった皆様のおかげです。非常に濃い柔道人生でした。ありがとうございました」と感謝を込めた。

 ◆丸山城志郎(まるやま・じょうしろう)1993年8月11日、宮崎市出身。92年バルセロナ五輪代表だった父・顕志さんの影響で3歳で柔道を始めた。沖学園高から天理大に進み、卒業後はミキハウスに所属。左組みで得意技は内股、袖釣り込み腰。趣味はドライブ、釣り。2018年には妻クルミさんと結婚し、2児の父。167センチ。

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