体操・岡慎之助「ロスで4冠」 パリでつかんだ自信とプライド目指す絶対王者 今年の照準は世界選手権
デイリースポーツ制定「2024年度ホワイトベア・スポーツ賞」の表彰式が31日、東京・内幸町の日本プレスセンタービルで行われた。パリ五輪の体操男子で団体総合、個人総合、種目別鉄棒の3冠を達成し、平行棒で銅メダルを獲得した岡慎之助(徳洲会)と、同五輪のレスリング女子53キロ級金メダルの藤波朱理(日体大)が受賞。2003年生まれの共通点を持つ21歳の2人が喜びを語り、連覇のかかる2028年ロサンゼルス五輪へ向けて気持ちを新たにした。表彰式では、藤谷稔デイリースポーツ代表取締役社長から表彰盾、奨励金、白熊のぬいぐるみが手渡された。
体操ニッポンのエースが、陸と水の王者とされる白熊のぬいぐるみを手に、照れくさそうに笑った。岡が、体操では内村航平さんや橋本大輝らに続く受賞。「パリ五輪がこのような形で評価されてすごくうれしい。自分の演技で気持ちをつかんで、感動してくれたことを聞いてうれしかった」と、しみじみと世界舞台での活躍を振り返った。
パリ五輪では団体総合、個人総合、種目別鉄棒の3冠を達成し、平行棒で銅メダルを獲得した。4つのメダルを携えての帰国。それとともに持ち帰ったのは『自信』と『プライド』だった。
「自分の体操が認められたという感覚があって、自信がすごくついた。負けたくないプライドは元々あったけど、かっこ悪いところを見せたくないというプライドがついた」
目指し続けるのは「誰にも文句を言われない体操」だと話す。「自分は、きれいで美しい、を売りにやっている」。特にこだわるのは2022年に右膝前十字靱帯(じんたい)を完全断裂した後に「めちゃくちゃ練習した」という着地姿勢。パリ五輪で得た自信とプライドを技につめ込み「ほかの選手とは違うというのを見せていきたい」と、圧倒的な差をつけていく。
厳しい練習や試合を乗り越える中では、気分転換も必要。自然に囲まれることが一番の休息だと話す。山の中のサウナに入ってから「そういう場所が好きになった」といい、写真に撮った花を見つめることで心を浄化することもある。旅行好きでもあり、今行きたい場所は自然豊かな宮古島。「リフレッシュがしたい」と、話に花を咲かせた。
今年の最大の目標は世界選手権(10月、ジャカルタ)の種目別平行棒での金メダル。一番大きな目標は、ロサンゼルス五輪での4冠だ。あん馬では新技、D難度の転向技『ショーン』の習得に挑戦中。「次のオリンピックはプレッシャーもかかると思うけど4冠を達成したい。自分を鼓舞しながらトレーニングを積み重ねていきたい」。体操界の絶対的王者になるべく、歩みを進めていく。




