豊昇龍が崖っぷちから横綱昇進へ 審判部が臨時理事会開催を要請 32年ぶり横綱空位は回避へ
「大相撲初場所・千秋楽」(26日、両国国技館)
綱とりだった大関豊昇龍は本割で大関琴桜を下し、12勝3敗で優勝決定巴戦に持ち込むと、初戦で金峰山、2戦目で王鵬を下し、2度目の優勝を飾った。本割で2敗だった金峰山が敗れて、巡ってきたチャンスをものにした。日本相撲協会審判部の高田川親方は、臨時理事会の招集を要請。横綱昇進が事実上内定した。
今場所は先場所優勝の琴桜と、優勝次点だった豊昇龍の2人が綱とりに挑んだが、琴桜は2日目から悪夢の5連敗で脱落。豊昇龍は3敗で厳しい状況の中で優勝争いに踏みとどまり、終盤は気迫溢れる相撲で優勝をもぎとった。
優勝インタビューで豊昇龍は「綱取りの場所だったが、1日1番集中していった。親方の楽しくやれって言葉が押してくれました。考え過ぎてました。楽しく楽しくやれって言われたのでしっかり楽しくやりました。(大関として初めての優勝に)すごく、うれしいです!また1から頑張ります」と、語った。
今場所での昇進がなかった場合、横綱照ノ富士が引退したため、3月の春場所は93年初場所以来32年ぶりの横綱空位となる危機だった。前回の空位は、92年夏場所直前に1人横綱だった北勝海が引退。翌名古屋場所から番付上で4場所空位となった。93年初場所で曙が連続優勝を飾り、場所後に昇進。93年春場所から解消された。