王鵬 弟・夢道鵬の幕下制覇に続く “大鵬の孫”兄弟同時Vへ1差追走「集中して残り2番」

 宇良(右)をはたき込みで破った王鵬
 石崎(右)を突き出しで破り幕下優勝を決めた夢道鵬
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 「大相撲初場所・13日目」(24日、両国国技館)

 優勝32回を誇る「昭和の大横綱」大鵬の孫、王鵬が宇良をはたき込み、10勝目を挙げた。この日は付け人を務める弟、夢道鵬(23)=大嶽=が幕下優勝。これを追い風に、兄弟同時優勝を狙う。賜杯争いで単独トップの金峰山は、大関琴桜を突きだして11勝目。綱とりの豊昇龍は大の里との大関対決を首投げで制し、霧島、尊富士も白星を重ねてそれぞれ10勝目を挙げた。金峰山を1差で豊昇龍、霧島、王鵬、尊富士が追う。綱とりだった琴桜は負け越して、来場所は昇進7場所目で初のかど番となる。

 王鵬が過去1勝6敗と苦手にしていた宇良を撃破した。立ち合いで突き放し、懐を探る相手をいなして左に回り込みながらはたき込んだ。「ちょっと見過ぎたところもあったけれど、しっかり落ち着いて取れた。もう少し前に出られたらと思う」。冷静に振り返った。

 突き押しの圧力が好調を支えてきたが「ここ何番か立ち遅れ気味。集中して残り2番取っていきたい」と反省も忘れなかった。合口が悪い相手でも「その時に勝った、負けたの話。得意の形だったら勝てると思っている。気にしたことはない」と意に介さなかった。

 弟の涙が兄の背中を押したのか。夢道鵬が石崎(高砂)を突き出し、7連勝で幕下優勝。「5歳から相撲をやってきて、大事な場面で一回も勝ったことがないので。大きい」とうれし泣きした。

 王鵬は夢道鵬が5連勝した際「プレッシャーがあって勝つと違うぞ」と声をかけた。一層大きくなった重圧をはね返した弟は「かけても大丈夫だと思ったんでしょうね。次は十両に上がるつもりで頑張ります」と感激を口にした。

 弟の涙を伝えられた王鵬は「必要以上に(重圧を)かけました」とニヤリ。「こんなところで緊張するようではね」と一層の奮起を促した。「僕は誰かが頑張るから自分も頑張る、というのはない。自分のために頑張る」と言いつつ「でもうれしかった。良かった」と祝福した。

 残り2日。1差で金峰山を追う。「いつも言っていますが、毎場所、負けが込むまでは優勝する気でいる」とキッパリ。既に役力士との対戦は終了。他の上位陣のつぶし合いを尻目に、兄弟そろっての歓喜へ、力を振り絞る。

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