引退の照ノ富士に角界から称賛の嵐 親方は「横綱になったこと自体が奇跡に近い」不屈の精神での復活劇をたたえる
大相撲の横綱照ノ富士が17日、両国国技館内で引退会見を行った。
前日に引退決断が判明していた照ノ富士は「激しい相撲人生だった。できる限り尽くしてきたが、思い通りできなくなり、これ以上、土俵に立つべきではないと思いました」と決断理由を説明。「初日に負けた後に師匠に言いました」とも明かした。
体は限界だった。15年夏場所で初優勝し、大関に昇進したが、両膝痛、糖尿病に苦しんだ。17年は4場所連続休場などもあり、18年には序二段まで転落。そこから幕内優勝3度を重ね、21年名古屋場所後に横綱に昇進した。
奇跡のカムバック。伊勢ケ浜親方は「やれることは十分にやった。横綱になったこと自体が奇跡に近い。精神力は誰よりもある」と称賛した。
同じモンゴル出身の宮城野親方(元横綱白鵬)も復活劇に触れ、「どん底のさらに下まで下がって、それで復帰して関取、大関…。それは私も想像できない。すごいなと思う」と敬意。同じくモンゴル出身の音羽山親方(元横綱鶴竜)も「お疲れ様でしょう。あの体でよくここまでやったんじゃないですかね」と労った。
音羽山親方は「足も腰もいろんなところをケガしながら、心折れてもいいくらいですけど、それを乗り越えて、あの地位から戻ってきて横綱にまで上がったわけですから。それは素晴らしいことですよ」と語り、続けて「だいたい、そこでみんな辞めていくと思うんです。辞めたいと言った本人を引き留めた親方もまた素晴らしいと思います。まだやれるっていうのを感じたんでしょうね」と横綱の師匠、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の心中を想像した。





