横綱照ノ富士が引退へ 負傷の右膝かばい腰も痛める…4日目で2敗 5日目に休場、意向固める
大相撲の横綱照ノ富士(33)=伊勢ケ浜=が現役を引退する意向を固めたことが16日、分かった。日本相撲協会関係者が明らかにした。初場所で3場所ぶりに復帰したが、初日に小結若隆景、4日目に翔猿に敗れ、5日目の16日に右膝と腰の痛みで休場していた。優勝回数は10度。親方となる条件となる日本国籍は2021年8月に取得している。
土俵上で痛みをこらえるような動きをした4日目の取組後に、照ノ富士本人から師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に休場の意思を伝えた。師匠は「右膝は場所前の稽古を始めたころに水がたまった。(6日の)総見に行って腫れた。腫れているし、曲げられない」と現状を説明。右膝をかばいながら相撲を取り続けたことで、腰も痛めてしまったという。
照ノ富士は場所前の取材に対して、「できることをとりあえずやってきた。あとはやるだけなので。それで駄目だったら駄目で結果はどうなろうと認めるしかない」との強い覚悟を明かしていたが、師匠は「巡業で調整してきたけど、稽古が足りなかったんだろう。本人は『体調がいい』と言っていたので出させたけど」と話した。
横綱の引退は2021年9月の白鵬以来。初場所後に大関豊昇龍が横綱にならなければ、1993年春場所の曙から続いた外国出身横綱が番付から途絶え、2003年春場所の朝青龍を皮切りに5人輩出したモンゴル出身横綱もいなくなる。
◆照ノ富士春雄(てるのふじ・はるお=本名杉野森正山)第73代横綱、伊勢ケ浜部屋。1991年11月29日生まれ。モンゴル・ウランバートル出身。鳥取城北高から間垣部屋に入門し、11年5月の技量審査場所初土俵。13年春場所後に転籍。初優勝の15年夏場所後に大関昇進。両膝のけがなどで19年春場所に序二段転落。再入幕の20年7月場所を制し、21年夏場所で大関復帰。日本国籍取得後の同年秋場所で新横綱。優勝10回。殊勲賞、敢闘賞、技能賞各3回。得意は右四つ、寄り。192センチ、176キロ。





