サーフィン・大原洋人が海外ツアーへ出発「早く試合をやりたい」 世界トップ研究で自信つけCT狙う 28年ロス五輪にも意欲「もう1回出たい」

 サーフィン男子で21年東京五輪代表の大原洋人(27)が19日、羽田空港からの海外遠征出発前に報道陣の取材に応じた。今季の海外ツアーへ「今は楽しみ。試合を早くやりたいし、いいサーフィンを見せたい」とやる気に満ちあふれた。

 運命を変える年にする。大原が目指すのは、プロ最高峰チャンピオンシップツアー(CT)への参戦。そのために、CT来季シード権を争うチャレンジャーシリーズ(CS)で結果を残し、ポイントを稼ぐことが必要になる。東京五輪銀メダルの五十嵐カノア(木下グループ)など、限られたトップ選手しか参加できない特別なツアーへは、これまでも強い思いを語ってきたが、届いたことはなかった。

 昨季を終え、周囲と相談しながら自身と向き合った時に「ただ漠然と入りたい思いがあった」ことに気付いた。「なんでCTを目指していたのか」。原点に返ると、深く影響を受けたのが小学生2年の時に地元・千葉県で開催されたCTの試合だったと思い当たった。ケリー・スレーター(米国)ら海外トップ選手の波乗りを初めて直接見て、写真を撮ってもらった。練習するトップ選手に混じって海に入ると、見えた景色は刺激的だった。「日本のプロが世界で一番うまいと思ってたけどレベルが全然違った。『やべえ!日本のプロサーファー1人も勝てないじゃん絶対!』って小学校2年生ながら感じた。子供と大人ぐらい違ったのが衝撃だった」。一気に将来の夢がCT参戦に定まった瞬間だった。

 それが今のモチベーションになっている。「子供の頃の自分に対して頑張りたい。(2歳の)娘がいるからこそ、そういう姿を見せてあげたい」。だからこそ「一方通行」の思いを変えなければいけなかった。海外トップ選手の中でも背格好が近く、スピードが得意な所も似ている22年、23年CT年間王者のフィリペ・トリド(ブラジル)の波乗りを参考に動きのフォームを改善した。ターンなど、一つ一つの動きを細かくチェックして自身に取り入れた。「だいぶものにできている」と自信もついた。

 まずはCS第1戦(4月27日開幕、オーストラリア・ゴールドコースト)、第2戦(5月9日開幕、オーストラリア・シドニー)に連続で出場し、腕を試すことになる。今夏のパリ五輪出場への道は既に断たれているが、東京五輪を知っているからこそ「もう1回オリンピックに出たい」という思いもある。「(ロサンゼルス五輪が開催される)2028年は一般的に見ても現役でやれてる年だと思う。そのためにもCTに入れれば。ロサンゼルスもだいぶ見えてくると思う」。27歳は現在地を正確に捉え、飛躍を狙っている。

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