鈴木聡美33歳 平泳ぎ2種目目の五輪内定 後続突き放し200m快勝「入江さんの泳ぐ姿に心を打たれて」

 「競泳・パリ五輪代表選考会」(22日、東京アクアティクスセンター)

 女子200メートル平泳ぎでは、33歳の鈴木聡美(ミキハウス)が派遣標準記録を突破する2分23秒09で1位となり、12年ロンドン五輪以来12年ぶりに同種目で代表をつかんだ。これで同100メートルに続き2種目目の内定。女子200メートルバタフライでは三井愛梨(横浜サクラ)と牧野紘子(あいおいニッセイ)が、男子200メートル背泳ぎでは竹原秀一(東洋大)がそれぞれ初の五輪内定を決めた。競泳界最多の五輪5大会連続を目指した入江陵介(イトマン東進)は、3位に沈み夢舞台出場を逃した。

 33歳は誰よりも力強かった。鈴木は前半100メートルを先頭でターン。後半は少しバテたが、昨年から強化してきたスプリント力が200メートルにも生き、後続が一度も追い付くことはなかった。

 水面を力いっぱいにたたいて喜んだ同100メートルから中2日、この日はかみしめるように右拳を一度だけ小さく振った。自身の出番直前には34歳の入江が、死力を尽くしたレースを見せた。年齢を重ねても挑戦し続ける姿が、自身と重なった。

 「入江さんの最後まで泳ぐ姿に心を打たれて、入場前から目が潤んでいた。一緒に行きたかったけど、私も頑張ろうと全力を出せた」

 12年ロンドン五輪で3つのメダルを獲得したヒロイン。勢いのまま16年リオ五輪に出たが、東京五輪は落選した。その後は不振に陥り一時は引退もよぎった。それでも周囲は鈴木の可能性を疑わず山梨学院大の神田忠彦監督は「聡美ならできる。けがもないし病気もない!五輪にいける」と常に励ましてくれた。次第に鈴木も「気合に応えないといけないし、応えたい」と燃え、パリ五輪に向けて歩き出した。

 平泳ぎ2種目での代表入りは自身12年ぶり。競泳界としても異例のカムバックだ。「まだ(代表に)いるの?と言われそうだけど、記録が上がっている以上は若手に刺激を与えていきたい」。日本代表歴代最年長の鈴木が、若々しく競泳ニッポンを引っ張っていく。

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