池江璃花子パリ五輪代表決めた 0秒01差でつかんだ「本当にうれしい」 豪州での猛練習がパリ切符への原動力

 競技を終えプールにお辞儀をする池江璃花子(撮影・持木克友)
 パリ行きの切符を高く掲げる(左から)平井瑞希と池江璃花子
 豪州で練習に励み、笑顔を見せる池江(本人提供、横浜ゴムSNSより)
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 「競泳・パリ五輪代表選考会」(18日、東京アクアティクスセンター)

 4種目で決勝が行われた。女子100メートルバタフライで池江璃花子(23)=横浜ゴム=が57秒30で2位となり、日本水泳連盟が定める派遣標準記録(57秒34)を突破。3大会連続の五輪代表を内定させ、個人種目は16年リオデジャネイロ五輪以来、2大会ぶりの返り咲きとなった。

 天を仰いでさけんだ。「よかった!」。池江は前半50メートルをトップで折り返すと、3位と0秒01差の大接戦を耐えて2位を死守した。東京五輪時は届かなかった個人代表切符。緊張から解放され、チームメートに迎えられると涙があふれた。

 「うれしい気持ちでいっぱい。改めて水泳に出会えてよかったし、ここまで戻ってこられてよかった」

 昨年10月から水泳大国・オーストラリアに拠点を移し、多くの有力選手を抱えるマイケル・ボール氏に指導を仰いだ。チームメートは東京五輪4冠のエマ・マキーオンら。国内ではめったになかった背中を追いかけて泳ぐ毎日を過ごす中、ある生物の話を思い出した。

 「ノミは本当はジャンプ力があるけど、ビンに入れてフタをされたら、フタに届かないようにジャンプする。でも(高く飛ぶ)他のノミたちといたら、また高くジャンプできるようになる。私もノミになってみよう」

 発想の転換は、もう一度世界一を目指す原動力になった。復帰後の課題だった15メートル地点の通過タイムは約0秒2も短縮。ウエートトレーニングで体重も約3キロ増えた。何より世界トップ選手に食らいついた日々の充実感は確かな自信に変わった。

 準決勝でマークした白血病から復帰後ベスト(57秒03)は、自身が持つ日本新記録(56秒08)まで1秒に迫った。「パリ五輪では16歳のリオ五輪のタイム(56秒86)を上回れるように。自分を超えられるのは自分だけ」。目指すのはもう復帰後ベストタイムではない。完全復活、そして日本新へ。自信を取り戻した池江が、パリで大きく羽ばたく。

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