なぜ?後を絶たない相撲界の暴力問題 協会も苦悩「お相撲さんはたくさんの人を幸せにする役割があるのに-」宮城野親方に厳罰で再発防止誓う

 部屋の前で謝罪する宮城野親方(左)と北青鵬
 部屋の前で謝罪し、頭を下げる宮城野親方(左)と北青鵬
 部屋の前で謝罪し、頭を下げる宮城野親方(左)と北青鵬
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 日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、後輩力士への暴行を働いていた北青鵬の引退届を受理したことを発表した。師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)には、2階級降格と減俸3カ月20%の処分を課すことを決めた。

 理事会後に配布された文書では北青鵬の暴行が明るみに。「顔面、背中及び睾丸(こうがん)への平手打ち等の暴行」「ほうきの柄、またはまわしで作った丸太様の棒で臀部(でんぶ)を打つ暴行、殺虫剤スプレーに点火してバーナー状にした炎を(被害を受けた)AやBの体に近づける暴行」と詳細が記された。

 過去には朝青龍や日馬富士、22年には伊勢ケ浜部屋や陸奥部屋の幕下力士の暴力行為も明るみとなった。「暴力根絶」を誓いながら後を断たない状況に、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「有望視されている力士が、こういうことで協会を去らなきゃいけない残念な行為。これは本当に、力士っていうのは広く日本の国民に愛されている一つであって。お相撲さんってのはたくさんの人を見守って幸せにするという、そういった大きな役割があるにも関わらず、こういった暴力行為で、しかも陰湿な暴力暴行で社会を追われるというのは、去って行かないといけない状況になるのは非常に残念です」と、苦悩の色をにじませた。

 宮城野親方は委員から最下位の年寄(再雇用者の参与を除く)への降格となる。協会の処分は7段階あり、降格は解雇、引退(退職)勧告に次いで3番目に重い。

 協会内では「相撲協会から排除すべきでは」という厳しい意見もあったという。協会は「宮城野については、師匠としての素養、自覚が大きく欠如していることが理事会で確認された」などと、宮城野親方の責任も厳しく追及。相撲界全体に対し、「今後は、全協会員に対し、暴力根絶を改めて伝えるとともに、師匠・年寄には、弟子の指導・監督の徹底、万一暴力が発生した場合の報告の徹底を通知する」などと、今後の対応を再確認している。

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