立大前監督の上野裕一郎が涙「本当に拾ってもらえるとは」加入のひらまつ病院に感謝 ニューイヤー駅伝出場目指すと中島泰伸監督

 ひらまつ病院陸上部加入が決まった立大男子駅伝前監督の上野裕一郎(38)ついて、同病院の中島泰伸監督は15日、上野が「本当に拾ってもらえるとは思ってなかった」と涙ぐんで感謝したと明かした。今週中にもチームに合流し、まずは来年1月1日のニューイヤー駅伝出場を目指す。同監督は「その涙は来年のニューイヤーで良い結果を残した時に違った意味の涙を流せたらという話を本人とした。『まずは今年1年間頑張ろう』と話した」と今後の活躍に期待した。

 上野は立大男子駅伝監督時には現役ランナーもこなし“日本一速い監督”と称されていたが、昨年10月に女性部員と不倫したことが箱根駅伝予選会直前に報道され電撃解任されていた。今回は競技への本格復帰。ひらまつ病院の中島監督の元には11月に連絡があり、1月の箱根駅伝が終わったタイミングでの正式加入となった。

 病院での業務内容は今後決定する。中島監督は「(本人は)競技者として結果を残すことは当然ながら、練習の合間の中でも医療や福祉にこれまで携わったこともないので、私にやれることをやれればという姿勢でいる。うちが地域貢献を発進しているものですから、プロランナー的なところでも地域貢献させてもらえたらと本人が強く言っている。何とかそこもフォローできたらと思ってます」とサポートする方針。「(本人も)早くチームの雰囲気や職場にも慣れたいと。できるだけ早く一緒にやれたら」と待ち望んだ。

 チームメートになる選手らの反応については「結構若いチームなので、『まさか一緒に上野さんとやれるとは思ってなかった』という声が大多数」と受け入れ態勢にあるという。「上野自身にもお客さん扱いするつもりもない。強いからとか過去の実績は過去として、そこは君がやったことも踏まえて、過去は過去でとにかく前を向いてやっていこうというのがうちのチームのスタンス。距離感は様子を見ながら、うまく調和を取れたら」と再起の機会を見据えた。

 加入発表のリリースでは医療法人ひらまつ病院の平松克輝理事長が「初めに関係の皆様におかれましては様々なご意見をお持ちのことかと存じますが、今後は新たなスタートを切り、関係者やファンに対して誠実な姿勢で取り組む覚悟を持っていると感じ今回の上野選手の加入を決断した次第であります。私たちが彼の再起に向けたステップとしてできることは、これまでエリートとして歩んできた道ではなく、多くの人や社会と関わる機会を作ることです」などとし、「彼が過ちと真摯に向き合い、一人の社会人として成長し将来陸上界へ恩返しすることが彼の今後歩むべき道だと考えており、これからも彼の歩みが世間にきちんと評価されるよう努力してくれることを期待しております」と記した。

 ◆上野裕一郎(うえの・ゆういちろう)1985年7月29日、長野県佐久市出身。中学時代は軟式野球部に所属し、陸上競技は佐久長聖高から始めた。2004年に中大に進学し、4年連続で箱根駅伝に出場。3年時には3区で区間賞を獲得した。卒業後はエスビー食品を経てDeNAに所属。09年世界選手権5000メートル日本代表。18年12月から立大男子駅伝監督に就任し、23年10月に電撃解任された。183センチ、58キロ。

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