「大相撲九州場所・千秋楽」（２６日、福岡国際センター）

　またしても優勝に届かなかった。２敗で単独トップの大関霧島に１差で迎えた千秋楽。逆転Ｖを目指して琴ノ若との一番に臨んだ熱海富士だったが、相手のいなしに足がついていかず土俵にばったりと落ちた。

　痛恨の４敗目に思わず表情がゆがむ。支度部屋に戻ってくると、腹とヒザに砂がついたまま「悔しいっす。上位は強いです」と言葉を絞り出した。活躍を評価されて２場所連続の敢闘賞を獲得したが、優勝すれば敢闘＆殊勲賞のダブル受賞だっただけに、取組直後は悔しさしか残らなかった。

　新入幕だった昨年の九州場所。わずか４勝しかできず、幕内の高い壁にはね返された。そこから稽古を積み重ねて、再入幕の秋場所では優勝決定戦に進出。今場所も優勝争いを演じた。八角理事長（元横綱北勝海）も「立派。来場所が楽しみ」と健闘ぶりを高く評価した。

　初場所では上位陣と総当たりとなる地位まで躍進する。「このままでは勝てない。もっと強くなる」と２１歳の若武者はリベンジを誓った。