「フィギュアスケート・ＮＨＫ杯」（２４日、東和薬品ラクタブドーム）

　女子ショートプログラム（ＳＰ）が行われ、昨季のグランプリ（ＧＰ）ファイナル優勝で、今季初戦に臨んだ三原舞依（２４）＝シスメックス＝は６２・８２点で４位発進した。

　演技を通し切ると、胸の前でガッツポーズして笑顔になった。１１月上旬の中国杯（重慶）を右足首の怪我が完治していないため欠場し、今大会が今季初戦だった。ＳＰ曲でセリーヌ・ディオンの「Ｔｏ　Ｌｏｖｅ　Ｙｏｕ　Ｍｏｒｅ」のを情感たっぷりに演じきり、「このけがでは終われないと、乗り越えるという強い気持ちを持って出られた。試合に出られた喜びが一番大きい」とはにかんだ。

　判断力が光った。公式練習と６分間練習でルッツジャンプに不安があったことから、冒頭のダブルアクセル（２回転半ジャンプ）を降りた後、急きょ最後に予定していたルッツ－トーループの連続３回転ジャンプを単独のルッツジャンプにすることを決断。２本目の３回転フリップに２回転トーループをつけた。回転不足などの細かいミスはありながらも、全てのジャンプを降り、ホッとした表情を浮かべた。

　中国杯の欠場は「すごく悔しくて悲しかった」という。その時期を支えてくれたのは師事する中野園子コーチらだ。「小さい頃からたくさんのことを教えてくださっている大好きな先生方」からは、「こんな所で終わったらあかん！」「舞依はできます」と温かい激励の言葉がかけられた。

　中でも「三原舞依はこんなもんじゃない」と言われたことが「本当に心の中にずっとある」。今大会は「どれだけ痛かろうが最後まで諦めずにやる」と強い決意を持って出場。「その（激励の）言葉通り乗り越えてしっかり滑ることを考えることができた。いつもありがとうございますという感じ」と感謝した。

　３位との差は０・１１点と、表彰台は十分に狙える位置につけた。２５日のフリーは「考えすぎずに思い切りいきたい」と、全力をつくす。