貴景勝 完勝発進 綱とりへ“鬼門”突破 先場所初日に苦杯なめた北勝富士を圧倒

 「大相撲九州場所・初日」(12日、福岡国際センター)

 秋場所優勝の大関貴景勝(27)=常盤山=が小結北勝富士(八角)を押し出し、白星発進した。大関で優勝した翌場所では過去2度とも敗れていた鬼門の初日を突破。綱とりの期待がかかる中、順調な滑り出しを見せた。他の大関陣も霧島(陸奥)が宇良(木瀬)に、豊昇龍(立浪)が正代(時津風)にそれぞれ快勝。関脇陣は大栄翔(追手風)と琴ノ若(佐渡ケ嶽)が白星を挙げたが、若元春(荒汐)は敗れた。

 誰よりも貴景勝が落ち着いていた。綱とりの可能性を広げる15日間の幕開け。緊張感にのみ込まれることはなかった。しっかりと自分の間合いで踏み込むと、立ち遅れた北勝富士を圧倒。先場所の初日に苦杯をなめた相手に反撃の隙を与えず押し出した。

 取組前の支度部屋では付け人を立たせて当たってから、逃れる相手を追っていく動きを確認していた。想定通りの完勝。「いつも通りでした。自分がどうしていくかだけを考えていた」と表情を変えずに振り返った。

 21年初場所と今年の春場所。過去2度の綱とり場所は初日に敗れて波に乗れず、いずれも途中休場に追い込まれた。そんな“鬼門”は「頭になかった。今場所は今場所なので」と気にも留めず。初日に限らず、勝負に臨む緊張感は「あまり気持ちをコントロールしようとは思っていない。緊張しないようにしてもする時はする。やってきたことを発揮するだけという気持ち」と、できることに集中して受け止めている。

 幕内後半戦の浅香山審判長(元大関魁皇)は「しっかり押していたしよかった」と大関の相撲を評価。ただ、綱とりに関しては「まだ何も言える状況じゃない。今場所でしっかりと見ていかないといけない」と慎重な姿勢は変えなかった。

 勝負はまだ15分の1を終えただけ。違和感を訴えた首の状態については「出ている以上は何のアレもないので」と言い切り、覚悟を示した貴景勝。「その日をやり切った人だけまた明日やる資格があると、自分に言い聞かせてやっている」。目の前の1分1秒に全てを注ぎ、夢をかなえにいく。

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