宇野昌磨 SP今季世界最高で首位 シーズン初戦から貫禄十分「やりたいことができた」
「フィギュアスケート・中国杯」(10日、重慶)
男女ショートプログラム(SP)が行われ、男子は世界選手権2連覇中の宇野昌磨(25)=トヨタ自動車=が、今季初戦で105・25点の今季世界最高で首位発進した。友野一希(上野芝スケートク)は80・50点で6位。山本草太(中京大)は75・48点で8位だった。女子は渡辺倫果(TOKIOインカラミ、法大)が今季SP自己最高の65・09点で2位発進。吉田陽菜(木下アカデミー)は64・65点で3位だった。
世界王者が今シーズン初戦から貫禄十分の滑りを見せた。宇野は冒頭の4回転フリップを3・46点の加点がつく出来栄えで成功させると、続く4回転-3回転の連続トーループも着氷。最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めると、SP曲に合わせてしっとりと演技した。
昨季の世界選手権で2連覇を達成。オフシーズンにはアイスショー「ワンピース・オン・アイス」で主人公のモンキー・D・ルフィ役を熱演するなど、表現力の幅に磨きをかけてきた。SPではジャンプでも実力を示したが、演技構成点でも全体1位の46・08点と高得点をマークした。
「スピード感はなかったけど、ジャンプだけにならず、SPをちゃんと演技したい気持ちが表れていた。“よっしゃ”っていう気持ちがあったわけでもない。やりたいことができた点が良かった」と冷静に振り返った。今季の目標は「自己満足」。世界選手権3連覇へ向けて、11日のフリーでも豊かな表現力を見せつける。