スポーツ界で“ゆとり世代”躍進?室伏長官「根性論だけでは通用しない」指導法の変化に持論 自身に師事の吉田正尚ら例示

 スポーツ庁の室伏広治長官(48)が7日、都内で定例会見を行った。今年のスポーツ界では、バスケットボール男子やバレーボール男子のパリ五輪出場権獲得や、WBC侍ジャパンの優勝、さらに陸上女子やり投げの北口榛花が世界陸上で日本勢初の金メダルを獲得するなど、日本選手の躍進が目立ったが、「20~30代の“ゆとり世代”と呼ばれた方たちが、スポーツにおいては大躍進しているんじゃないか。特に指導者との関係が変わり、(今は)根性論だけでは通用しない」と私見を述べた。

 室伏長官は、6日の文化勲章親授式に出席した際、文化関係者からも「スポーツでたくさんの方が活躍して元気をもらった」と声をかけられたという。「どのスポーツも世界で活躍する時代が来て、うれしく思う。(国民に)勇気や希望を与えている」と述べた上で、「ずいぶん昔と変わってきたところがある」と強調したのが、選手と指導者の関係性だという。

 現在スポーツ界の中心となっている現役世代が、2002年度に学習指導要領が変わった“ゆとり世代”だとした上で「詰め込み式ではなく、主体性を持って多様な社会学習をしていくという世代が、(スポーツでも)自主的に何をしようかと可能性を追求する時代。特に違いが見られるのが指導者との関係で、上下関係がほとんどなくなってきた」と説明。北口が自ら海を渡りチェコ人コーチに師事したことや、大リーグの吉田正尚外野手(レッドソックス)が陸上界出身の室伏氏にトレーニング指導を受けたことなどを例示し、「吉田選手が私のところに来るのも『こういう指導を受けたい』と主体性を持った考え方。上下関係がないということは海外に行けば(普通で)、いい形で現れてきているのではないか。指導者も選手から選ばれる(時代)」と、上意下達ではない、選手主導の関係性に着目した。

 「大谷(翔平)選手、渡辺(雄太)選手、井上(尚弥)選手、北口選手と各界で活躍するのは、これまでの上下関係ではない指導法があるのではないかと思っている。根性論だけでは通用しないものがある。今後も(新しい世代の躍進に)大いに期待したい」と語った。

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