バスケ 島田チェアマン 波紋呼んだ“代表招集巡る発言”改めて経緯説明
Bリーグの島田慎二チェアマン(52)が19日、都内で取材に応じ、波紋を呼んだ“代表招集”を巡る問題について、改めて説明した。
12日の男子代表強化検討委員会の会見で、国内でプレーする男女日本代表が招集を辞退した場合、代表活動期間に公式戦に出場できない罰則を科す新規定を発表。また「(代表招集に)拒否権はない」、「代表引退の概念はない」と発言していた。
根底にあったのは「日本代表が『行きたい人の代表』みたいな扱いになってはおかしい」という、日本バスケットボール界の発展を願っての気持ち。世界の壁に長年はね返され続けてきた日本。8~9月のW杯で盛り上がった今でこそ、代表は全選手にとって目指すべきものになっているが、過去には選手やクラブが招集を断る事例もあったという。
そもそもBリーグには創設時から“代表活動に協力する”という基本ルールが定められている。それがさまざまな理由を付けて曖昧になっていた。
「代表引退が特別ではなくて、全部含めて基本的にルールがある。メンタルヘルスとか家族の事情だってあるし、代表引退もそれと同列ぐらいにある。いろんなケースがありすぎて、何でもありになってしまう。前提はいったん(ルールとして)仕切らないと、収拾がつかなくなる」。
渡辺雄太(サンズ)が自身の代表引退をかけてW杯に臨んだこと、田中大貴(SR渋谷)が東京五輪まで代表を引っ張ってきたことに敬意を示した上で、“代表引退”の文言だけに区別は付けられないことから、会見で「概念はない」という発言に至った。
12日は男子代表強化検討委員会としての活動を報告する場だったため、招集に関わる細かい説明は省いた。そのため「拒否権はない」などのインパクトのある単語が目立ってしまった。
「拒否権がないって言ったのは、もうちょっと説明すればよかったなと思う。反省です」。その上で「これ(ルールの明確化)をやることは選手にとっても、クラブにとっても嫌なこと。嫌な役なんです、これは。でも誰かがやらないとずっと変わらない。そういうの引き受けたとこもある。未来に対して対応するために、はっきりさせたルール。自信もって正しいアプローチだと思っている」。過激に切り取られた発言の裏には、バスケ界の未来を思った考えがあった。





