豊昇龍 新大関1勝 師匠の誕生日に記念星 のど輪で押されヒヤリ「正直ちょっと緊張」
「大相撲秋場所・初日」(10日、両国国技館)
新大関豊昇龍(24)=立浪=は平幕阿炎(錣山)をとったりで下し、初日を白星で飾った。初優勝した名古屋場所からの連覇へ、好スタートを切った。かど番の2大関は、霧島(陸奥)が小結翔猿(追手風)をつり出して白星発進を決めたが、貴景勝(常盤山)は取り直しの末に北勝富士(八角)に苦杯を喫した。関脇陣は琴ノ若(佐渡ケ獄)が正代(時津風)に快勝。若元春(荒汐)と大栄翔(追手風)はいずれも敗れた。
大関としての船出で負けるわけにはいかない。少しヒヤリとさせながら、豊昇龍がキッチリと勝利を収めた。阿炎ののど輪にじりじりと後退したが、まだ余裕があった。左に回り込みながら腕を手繰り、相手を土俵にはわせた。
看板力士として上がる初めての本土俵。「正直、ちょっと緊張しましたね」と素直に告白した。そんな中でも慌てることなく対応し「しっかり見ながら相撲をとろうと思っていた。悪くない」と納得顔。初日の緊張も乗り越え「もう大丈夫」とうなずいた。
この日は師匠の立浪親方(元小結旭豊)の55歳の誕生日。記念すべき大関初勝利を届けた。「勝って白星をプレゼントしたいと思っていた。帰ったらいい報告ができると思う」。抜群のタイミングでの孝行星を喜んだ。
幕内土俵入り後の優勝額除幕式では、自身の額がお披露目された。「すごくうれしい」と話しつつ「これで終わるわけじゃない」とすぐに気を引き締めた豊昇龍。横綱休場で双肩にかかる責任は「自分以外に(大関が)2人もいる。気を抜かずに一日一番で頑張りたい」と気負い過ぎずに受け止める。一つずつ白星を重ねた先に、叔父の元横綱朝青龍も成し得なかった17年ぶりの新大関Vが見えてくる。





