佐藤拳太郎44秒77日本新!32年ぶり高野超え 「絶対に出さなければいけないと思っていた」

 「陸上・世界選手権」(20日、ブダペスト)

 男子400メートル予選で佐藤拳太郎(28)=富士通=が44秒77の日本新記録を樹立した。1991年に高野進がマークした44秒78を32年ぶりに0秒01更新し、1組2着で22日の準決勝に進んだ。佐藤風雅(ミズノ)は日本歴代3位の44秒97で4組2着、中島佑気ジョセフ(東洋大)は45秒15の5組3着で予選通過。男子110メートル障害の泉谷駿介(住友電工)は13秒33の2組2着で、高山峻野(ゼンリン)らとともに21日の準決勝に進んだ。男子走り高跳びの赤松諒一(アワーズ)は2メートル28の予選A組トップで決勝進出。男子400メートル障害予選は黒川和樹(法大)が準決勝に進んだ。女子20キロ競歩は藤井菜々子(エディオン)が日本勢最高の14位。

 五輪のトラック種目で最古の日本記録をついに破った。男子400メートルの佐藤拳は、序盤でやや抑え気味だったが、中盤以降崩れずに浮上。1組2着に入り、日本短距離界の名選手、高野進が32年前に打ち立てた高い壁を越え「予選から狙った。想定通りのレース運びができた」と胸を張った。

 東京五輪に1600メートルリレー代表として出場した28歳。日本が4位と健闘した昨年大会の代表になれず「あの場にいられなかった悔しさをすごく感じた」と奮起した。今季は5月に8年ぶりに自己記録を更新すると、7月にアジア選手権優勝と飛躍。今大会は個人での決勝進出と、1600メートルリレーのメダル獲得を狙っており「(日本新は)目標の一つ。気持ちを切らすわけにいかない」と冷静さを失わなかった。

選手団主将に任命

 今大会は日本選手団の主将に任命された。「歴代の主将の方々は結果でチームを引っ張ってきた。タイムという意味では(チームの)士気を上げられたかな」。予選から重責を果たす走りを見せつけた。

 「絶対に出さなければいけないと思っていた」という日本記録を出し、一つの夢をかなえた。「準決勝も上げてしっかりと決勝に進出できるようにしたい」。さらなる結果を求め、走り続ける。

 ◆佐藤拳太郎(さとう・けんたろう)1994年11月16日生まれ。埼玉県出身。豊岡高を経て城西大出身。16年リオ五輪、21年東京五輪代表。世界選手権は15年北京大会、17年ロンドン大会、19年ドーハ大会、23年ブダペスト大会と4大会で代表入り。アジア選手権は400メートルで15年大会銅メダル、23年大会金メダル。15年ユニバーシアードの1600メートルリレーで銀メダル。174センチ、64キロ。

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