サニブラウン10秒13「まあまあOK」準決勝進出 10秒00切れば世陸内定「勝手にポンと出るかな」
「陸上・日本選手権」(3日、ヤンマースタジアム長居)
世界選手権(8月、ブダペスト)の代表選考会を兼ねて行われ、男子100メートル予選は前日本記録保持者で2連覇を狙うサニブラウン・ハキーム(24)=東レ=が予選3組を10秒13(追い風1・2メートル)で全体1位となり、4日の準決勝に進出した。柳田大輝(東洋大)が10秒19(追い風0・2メートル)で2組1着、坂井隆一郎(大阪ガス)が10秒33(追い風0・2メートル)が7組2着で、それぞれ準決勝進出。4日に準決勝、決勝が行われる。
涼しい表情で、予選から日本のエースの貫禄を見せつけた。予選3組で登場したサニブラウンは、序盤は「若干反応が遅れた」と前に出なかったが、中盤から加速して一気に先頭に立つと、最後は流しながらも10秒13の好タイムをマーク。全体1位で準決勝に進み「いい刺激だったかな。今日は刺激の日ですね」とうなずいた。
今大会が今季3戦目で、国内では初戦。コーチからは「最初の40メートルしっかりいって、そこからはリズムでいいよ」と言われていた。その序盤で奮わなくとも「落ち着いてしっかり加速できた」とさらりと挽回してみせた。
圧巻の予選の内容に「まあまあOKなんじゃないですか」と自身に及第点。一方で自らの頭を指さして「ちょっと、ここのスイッチが全く入っていなかったので、明日からちゃんと入れていこうかな」と、集中の走りでギアを上げる。
昨夏の世界選手権の100メートルで日本勢初の決勝進出を果たし、7位入賞。そのためサニブラウンは世界選手権代表選考において有利な立場におり、今大会終了までに10秒00を切れば即時内定する。「仕上げていく過程で勝手にポンと出るかな」と気負わずに挑む。
拠点を置く米国から帰国したばかりだが「時差ボケは全然ない。昨日は9時半に寝て今日朝8時に起きました。バッチリですね」と笑った。「久々に帰ってきたなという感じ。あしたもっとお客さんがいれば楽しい」。2連覇と世界切符獲得を決め、日本を沸かす。




