「ガラスのハート」繊細だった高橋大輔 わが子同然に育てた長光コーチとの絆

 フィギュアスケート・アイスダンスの村元哉中(30)、高橋大輔(37)組=関大KFSC=が2日、都内で現役引退会見を開いた。高橋は2014年に競技生活から退き、復帰後の20年にアイスダンスに転向。そんな高橋と中学時代からの恩師、長光歌子コーチ(72)の関係性を担当記者が明かした。

  ◇  ◇

 高橋は「競技復帰してからの自分が本当に好き」だと言った。以前は何をしても自信が持てなかったが、復帰後は「できない自分を受け入れられるようになった」と話した。

 若き日はその才能を本番で発揮できない「ガラスのハート」と呼ばれた。05年の世界選手権ではミスを連発して15位に終わり、06年トリノ五輪の出場を1枠しか獲得できなかった。19歳になったばかり。帰国した時の責任に押しつぶされそうな表情は忘れられない。

 そんな繊細な少年をわが子同然に育てたのが長光コーチだった。中学2年から高橋は週末に岡山から大阪に通い、大学時代は同コーチの自宅に下宿した。ささいなケンカで家出したこともあった。しかし、成長とともにコーチを変える選手もいる中、高橋は外国人コーチに師事しても「歌子先生」の下は離れなかった。

 同コーチは「最近になって競技ルールに縛られない、自由な空間で感じるままに滑る彼らのスケートも見たい」という思いが強くなったという。恩師の声に応えるような高橋の引き際。最後まで、2人は“親子”だった。(2005-07年担当 デイリースポーツ・船曳陽子)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス