競泳女子で２１年東京五輪代表の池江璃花子（２２）＝ルネサンス＝が２５日、日本武道館で行われた日大の卒業式に出席した。白血病公表後に入学し、懸命なリハビリの末に東京五輪出場も果たした４年間。高校の卒業式、同大学の入学式は治療中のため出席できていなかっただけに「こうやって健康に卒業式を迎えられてすごくうれしい。生きるか死ぬかを経験した４年間でもある。誰よりも充実した４年間は送れたんじゃないかな」と穏やかな表情で振り返った。

　青みがかった白の着物と、グレーブルーの袴で登場した。着物には数種類の花と蝶があしらわれたデザイン。「（白は）純粋な気持ち、真っさらな気持ちで新たな１歩を踏み出したいなって。ちょうちょは羽ばたく意味でもあるし、自分の専門種目バタフライでもある」と晴れ姿のコーディネートを笑顔で紹介した。

　４月からは横浜ゴム所属の社会人として新たな１歩を踏み出す。卒業後の決意を示した色紙には「人として憧れられる女性になりたい」としたためた池江。世界選手権（７月、福岡）の選考が懸かる日本選手権（４月４～９日、東京アクアティクスセンター）へ向けて「この４年間は一生忘れない。辛くなった時は、もっと辛い時期もあったことを思い出しながら、どんどん前に進めたら。しっかりアスリートとしての気持ちを整えて、日本選手権に臨めたら」と決意を込めた。