貴景勝 早くも3敗目 綱とりは風前のともしび 馬力不足は3日目負傷の左膝が影響か
「大相撲春場所・6日目」(17日、エディオンアリーナ大阪)
大関貴景勝は平幕御嶽海に押し出され、3敗目を喫した。3日目に負傷した左膝の影響もある中で、トップとは3差に。綱とりには極めて厳しい状況に追い込まれた。大栄翔は琴ノ若との小結対決を制して6連勝。平幕の高安と翠富士も6連勝を飾り、全勝は3人となった。
綱とりは風前のともしびとなった。俵を割った貴景勝が、伏し目がちに力なく息を吐いた。痛すぎる3敗目。地元関西の観衆からも、なんとも言えないため息がもれた。
立ち合いは激しい当たりで御嶽海を後退させたが、そこから二の矢で押し込めない。いなして押しての攻めに冷静に対応されると、引いて呼び込む形に。土俵際で残す余力はなく押し出された。
数字上の可能性は残る。7日目から9連勝すれば12勝3敗。優勝のチャンスもある。ただ、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、6日目までに3敗を喫して横綱に昇進した力士はいない。
幕内後半戦の粂川審判長(元小結琴稲妻)は「立ち合いはよかったが、押し切れていない。膝の影響はあると思う」と馬力不足はケガが原因と推察。綱とりについては「まだ優勝しないとも限らないが、厳しいと言えば厳しい。もう負けられない状況。今後を見守りたい」と崖っぷちにあることを示唆した。
今場所ここまで一度も取材に応じていない貴景勝は、この日も沈黙を守った。八角理事長(元横綱北勝海)は「明日から、また頑張らなきゃダメですね」と奮起を求めた。奇跡を起こすためには、もう勝ち続けるしか道はない。




