羽生結弦さん 故郷で「希望」の舞 3・11東日本大震災から12年の節目「希望を届けたい」

 フィギュアスケート男子の2014年ソチ、18年平昌両五輪金メダリストで、プロスケーターの羽生結弦さん(28)が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata」が10日、宮城県セキスイハイムスーパーアリーナで開幕した。東日本大震災発生から11日で12年。プロ転向後は初めて、生まれ故郷である宮城県内で約6000人の観衆を前に「希望」の舞いを披露した。

 どれだけの年月が流れても、あの空の輝きは忘れない。「あれから毎年、祈りの気持ちを込めながら、感謝の気持ちも、悲しい気持ちも込めながら、人知れず滑ってきました」と羽生さん。震災から12年。プロスケーターに転向して迎える初めての3・11。約6000人の観衆を前に、祈りを込めたショーを東北の地で開催した。

 ショーは「星降る夜」を意味するプログラム「ノッテ・ステラータ」から始まった。

 2011年3月11日の夜、停電の暗闇で羽生さんはふと空を見上げた。「満天の星空を見て、希望を感じました」。銀盤には、さんさんと輝く星空のようなプロジェクションマッピングがほどこされ、ステージには当時の星空が映し出された。「星空から得た希望とともに、今まで滑ってきたんだ」-。あの日、あの瞬間に感じた力をかみしめ、その舞いに思いを込めた。

 大トリではピンク色の花が咲き誇る演出とともに「春よ、来い」を披露。「直接的に震災のことを考えたりとか、震災に遭われた方々の希望って何だろうとか。そういうものをイメージしながら。僕自身がそれになれるのだろうか、とも考えながら滑らせていただいた」と羽生さん。節目となる1日に演技を披露することに「正直すごく緊張した」と言いながらも「希望を届けたい」という思いに実直に向き合い、迎えた本番。鎮魂の思いに寄り添う大きな拍手が会場に響き渡った。

 豪華なスケーターがショーを彩った。仙台市出身の本郷理華さん(26)をはじめ、昨年引退した宮原知子さん(24)や、羽生さんの同級生の田中刑事さん(28)らが出演。「SEIMEI」など多くのプログラムで羽生さんとタッグを組んだ振付師のシェイリーン・ボーン氏も優雅なスケーティングを披露し、被災地へと思いを寄せた。

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