貴景勝 1人大関のプライド星 125年ぶりの番付編成も主役の務め果たし好発進

 若元春(手前)を押し出しで下した貴景勝(撮影・佐藤厚)
 ぶ厚い懸賞金の束を手にする貴景勝
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 「大相撲初場所・初日」(8日、両国国技館)

 大関貴景勝(26)=常盤山=は新小結若元春(荒汐)を押し出し、白星発進した。125年ぶりとなる1横綱1大関の番付編成で横綱照ノ富士(伊勢ケ浜)も休場する中、出場者最高位の責任を果たした。豊昇龍(立浪)と若隆景(荒汐)の両関脇、先場所優勝の平幕阿炎(錣山)はそろって快勝。大関から陥落した関脇正代(時津風)は元大関の御嶽海(出羽海)に、関脇高安(田子ノ浦)は大栄翔(追手風)にともに敗れた。

 のしかかる重圧を感じさせなかった。ただ1人、大関以上の看板力士として臨む場所で、貴景勝がしっかりと滑り出した。立ち合いで若元春を押し込めなくても慌てない。先に動いて左からのいなしで泳がせ、素早く攻め込んで押し出し。表情を変えずに懸賞の束を受け取ると、ひとつ息をついた。

 初場所初日の結びの一番。独特の緊張があっても不思議はないが「集中してやろうと思いました」と平然と受け止めた。1大関での出場も「環境なので。目の前の一番に集中してやるしかないと思っています」と心は揺らがなかった。

 26歳にして、大関在位は3年半以上。苦い経験も味わってきた。綱取りをかけた2年前の初場所は4連敗スタートからの途中休場。詳細は明かさないものの「何で失敗したかは自分でよく分かっている」という。横綱審議委員会から、ハイレベルの優勝なら綱取りの話題が浮上する可能性も示された今場所。「精神的なものとかコンディショニングとか、全て妥協なく自分で一番良いと思うことをしっかりやって挑むだけ」と境地は2年前とは違う。

 八角理事長(元横綱北勝海)は、追い付いて優勝決定戦に持ち込んだ先場所の粘り強い相撲を評価。この日の内容も「落ち着いていた」とし「今後もこの相撲を、落ち着いて粘り強くね」と継続を求めた。

 残り14日間も結びの一番を務める貴景勝。「見に来てよかったなと思ってもらえる相撲を取りたい」。大関のプライドにかけて、主役の務めを果たす。

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