来年１月２、３日に行われる第９９回箱根駅伝に出場する有力５校の監督によるトークバトルが１０日、オンラインで行われた。１０月の出雲大学駅伝、１１月の全日本大学駅伝に続き、大学駅伝３冠に王手を懸けた駒大・大八木弘明監督（６４）は「出雲、全日本と順調にきて残すはあと１冠。（３冠王手で）チャレンジするのは３回目だが、過去２回は３冠という感覚がなく、今回みたいに初めから３冠（が目標）という感じはなかった。今回は選手たちから『３冠を狙いましょう』と言われて、私も気持ちを入れて取り組んできた」と教え子たちの悲願成就へ力を込めた。

　絶対エース田沢廉（４年）を筆頭に、各学年にエース格をそろえるなど充実の戦力を誇る駒大に対し、ライバルの他大学も３冠の可能性に“太鼓判”を押した。

　３冠経験チームの青学大・原晋監督（５５）は「特に（１０月初旬の）出雲あたりは夏合宿の疲れがまだ残る中での戦いで、他大学から出雲（の優勝）に一点集中されると難しい状況があった。その中で選手層の量、質ともにそろえていないと難しい」と偉業の難易度として強調。その上で、「今年の駒大さんは（戦力の）質、量ともに充実している印象がある」と手ごわさを明かした。

　また、東洋大の酒井俊幸監督（４６）は３冠の条件として「１つは自陣が崩れないこと、３冠をベースに自滅しない。もう１つはライバルの戦術を見極めて、１区間１区間で常に上回っていたら負けない」と分析し、「今年の駒大さんは出雲、全日本と序盤から主導権取れるくらいスピードで押し通すことをやっている。穴がない」と脱帽した。

　敵軍に羨望のまなざしを送りつつも、約２０キロの各区間を１０人でつながなければいけない箱根路は一筋縄ではいかない。前回総合優勝をかっさらっている青学大の指揮官は、新春に向けて「ピース大作戦」をぶち上げ、「仕上がり具合は順調。平和だからこそ箱根駅伝ができる。平和である以上ブイ（優勝）を目指し、ピースでゴールを目指したい。コロナを早く収束させよう。戦争を早く収束させよう。連覇でＶサインでゴールしたい」と気炎を上げた。