角田夏実が世界柔道2連覇 パリ五輪代表争いリード ともえ投げ&寝技でオール一本

 決勝でドイツ選手(右)に一本勝ちし、2連覇を達成した角田夏実
 準決勝でカザフスタン選手(左)に勝利した角田夏実=タシケント(共同)
 準決勝でカザフスタン選手(左)を攻める角田夏実=タシケント(共同)
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 「柔道・世界選手権」(6日、タシケント)

 女子48キロ級決勝で、21年大会覇者の角田夏実(30)=了徳寺大職=が、東京五輪にも出場していたカタリナ・メンツ(ドイツ)を崩れ上四方固めで下し、圧巻の5試合オール一本勝ちで2連覇を果たした。日本代表として同時出場していた東京五輪銀メダルの渡名喜風南(パーク24)は準々決勝で一発反則負けを喫し、まさかの7位。30歳の角田は、24年パリ五輪代表選考で筆頭候補としてリードする形となった。

 長い手足で相手を浮き上がらせるともえ投げと、柔術仕込みの腕ひしぎ十字固めという2つの必殺技を持つ変則ファイターが圧倒的な強さで世界を制した。

 初戦の2回戦は台湾選手、3回戦はスペイン選手に続けてともえ投げで「一本」を奪うと、準々決勝はわずか42秒でイタリア選手から腕ひしぎ十字固めで一本勝ち。準決勝もカザフスタン選手から腕ひしぎ十字固めで一本を奪い、決勝も寝技で完全にコントロールした。

 大会前には「今回は緊張感が強い。絶対に勝たないといけないプレッシャーがある」と口にしていたが、始まってしまえば無敵の強さを誇った。

 角田は東京五輪金メダルの阿部詩にかつて3連勝したこともある“詩キラー”。初出場となった17年世界選手権は52キロ級で銀メダルを獲得すると、19年から48キロ級に転向。東京五輪直前の21年6月の世界選手権では、自身初の世界一に輝いた。

 今年8月に30歳となったが、パリ五輪を目指して現役を続けている。最大のライバルである渡名喜には今年4月に初対戦し敗戦したが、代表レースで重要な位置づけとなっている今大会を制したことで、事実上の1番手として先行する形となった。

 ◆角田夏実(つのだ・なつみ)1992年8月6日、千葉県出身。8歳から柔道を始めた。52キロ級では、八千代高2年時に全国高校総体3位に入り、東京学芸大3年時の全日本学生大会で優勝。16年講道館杯で初優勝し、同年グランドスラム東京でも優勝。初出場の17年世界選手権で銀メダルを獲得した。19年講道館杯で48キロ級に転向し、21年世界選手権で初制覇。左組みで、得意技はともえ投げと腕ひしぎ十字固め。162センチ。

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