伊藤美誠 Tリーグで“貫禄”白星デビュー「決勝戦の感覚」平野美宇に勝利でガッツポーズ
「卓球・Tリーグ、日本生命4-0神奈川」(10日、大田区総合体育館)
5シーズン目が開幕した。女子4連覇中の日本生命は、Tリーグ初参戦の伊藤美誠(21)=スターツ=が第3試合のシングルスに出場し、デビュー戦を白星で飾った。一緒に東京五輪団体で銀メダルを獲得した同学年の平野美宇(22)と対戦し、3-1で勝利。観衆2333人が注目する中、慣れないTリーグでも日本のエースとして貫禄を見せつけた。日本生命は第1試合のダブルスで先取すると、第2試合は早田ひなが木原に3-1で勝利。第4試合は元中国代表のリ・ジャイが石川佳純を3-0で下した。
ついに伊藤がTリーグのコートに立った。立ち上がりは4連続失点とつまづくなど第1ゲームを落としてしまったが、徐々にペースをつかんだ百戦錬磨の「大魔王」。平野との打ち合いを制して勝利を飾ると、ホッとした表情で拳を握りしめた。
試合後のコートインタビューでは「テレビでよく見ていたので、ヒーローインタビューに少し憧れていたのですごくうれしい。初戦がすごく大事だと思っていたし、日本生命としても4-0で勝つことがすごく大事。一戦一戦自分の試合になったら頑張ろうと思っていた。Tリーグはいつもと違うルールで、接戦になるとどちらが勝つか分からない。(雰囲気は照明が)暗い中での大会だったし、たくさんの方が来てくれて、(トーナメントの)決勝戦をしているような感覚で、大好きな場所で試合ができてすごくうれしい」と声を弾ませた。
伊藤はこれまで打倒中国を掲げ、国際大会に主軸を置いて練習を積んでいたため、過去4シーズンはTリーグへの参加を見送ってきた。ただ、24年パリ五輪に向けては日本協会が国内選考会を重視する新たな代表選考方針を発表しており、Tリーグの個人勝利ポイントもポイントに含まれることから参戦を決断。背番号99の目新しいユニホームで心機一転、「パリ五輪優勝を目標に置いて、海外でも国内でもズバ抜けて1位をとって(五輪に)出場できるように目指したい」と誓っていた。
◆今季のTリーグ 5シーズン目は、新たに京都が参入した女子は6チーム、男子は4チームで争われる。女子4連覇中の日本生命には伊藤美誠(スターツ)が初参加。東京五輪代表の平野美宇は神奈川に移籍した。男子は、張本智和が琉球に移籍。また、今季からはパリ五輪代表選考対象となり、個人成績のシングルス1勝が1ポイント(ビクトリーマッチは0・5ポイント)として加算される。




