羽生結弦さんが「24時間テレビ」で渾身演技 北京の「心の傷」と向き合い「ロンカプ」ノーミス完遂

 フィギュアスケート男子14年ソチ、18年平昌五輪2連覇王者で、7月にプロスケーターに転向した羽生結弦さん(27)が27日、日本テレビ系「24時間テレビ45」の中で、プロ転向後、テレビでの初演技となるスペシャルアイスショーを披露した。

 自身も東日本大震災に被災した経験から、これまでも被災地と向き合い、被害にあった人々を勇気づけてきた羽生さんは、今回、18年西日本豪雨で被災し、現在も仮設住宅で生活する広島の17才の高校生・三浦葉鈴さんを招待し、思いのこもった演技をみせた。

 演目は昨季、北京五輪シーズンのSP「序奏とロンド・カプリチオーソ」。北京五輪では冒頭の4回転サルコーで、踏み切りが氷の穴にはまり、跳ぶことができなかった。「心の傷」と表現したプログラムにあえて挑んだ。冒頭、その4回転サルコーを完璧に成功させると、続く4回転トーループ-3回転トーループも鮮やかに決めた。最後は美しいトリプルアクセルを跳び、ピアノの旋律と一体となって演技を完遂させた。

 演技後は思わずガッツポーズ。「初めてこのプログラムを自分の中で完成形として滑りきることができた。怖くて踏み出せずにいたプログラムの1つでしたけど、やっと乗り越えて前に進める。皆さんにとっても何か前に進むきっかけになれたらうれしいなと思います」と、充実した表情で語った。

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