池江璃花子 パリに向け「成長」3冠 完全復活へ5種目10レース“完泳”

 「競泳・日本選手権」(1日、横浜国際プール)

 東京五輪女子代表の池江璃花子(21)=ルネサンス=が2種目に出場し、50メートル自由形を24秒78の学生新記録で制した。同100メートルバタフライは58秒82で4位だったが今大会3冠を達成。リレーを含めて合計4種目のアジア大会(9月、中国・杭州)代表入りが有力となった。また、出場した5種目中、3種目で白血病から復帰後ベストタイムをマークした。

 成長を実感できた4日間だった。池江は今大会、予選を含めて合計10レースを消化した。この日は一番ハードな4レースに臨んだ。50メートル自由形は「少し余力を残して」復帰後ベストで頂点に。約30分後の100メートルバタフライでは「泳ぎの切り替えがうまくいかなかった」と伸ばせず4位。昨年の日本選手権4冠から成績は落としたが、結果とは裏腹に池江の表情は明るかった。

 「3月の選考会より成長している。ばたばたしていて、きつかったがそれ以上に楽しかった」

 世界選手権(6~7月、ブダペスト)切符を逃し、涙を流した3月の代表選考会。今大会と同様に5種目にエントリーしていたが、本命種目に余力を残すため2種目を棄権。「逃げていた自分がいた。たくさん泳ぐのが不安で、まだ早いんじゃないか」と感じていたという。

 ただ、今年は2024年パリ五輪を見据えるにあたって、個人種目で代表に入っておきたい重要な年。「極限まで追い込まれている状況で、結果を出していけるかが今後の課題になる」と覚悟を決め全レースに出場した。結果は3冠。さらに3種目で復帰後ベストを更新した。「挑戦することに意味があった。自分の成長を認めてあげたい」と柔らかく笑った。

 国内の主要大会は一段落。ここから海外へと戦いの舞台が移る。アジア大会の内定の正式通知は2日に届く予定だが、代表入りはほぼ確実。「これを次にどうつなげられるか。アジアも泳ぐなら全力で泳ぎたい」。もう下は向かない。パリまで一直線に突き進む。

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