高木美帆 死力尽くした2位「最後までよく粘れた。(自分を)褒めてあげたい」

 「スピードスケート・世界選手権」(6日、ハーマル)

 女子の高木美帆(27)=日体大職=は4種目総合を争うオールラウンド部門で2位だった。2018年以来2度目の制覇は逃した。500メートル、3000メートルを終え総合トップで迎えた最終日の1500メートルは1位。続く5000メートルは4位で、北京五輪女王イレーネ・スハウテン(オランダ)に逆転を許した。高木菜那(日本電産サンキョー)は総合7位、佐藤綾乃(ANA)は8位だった。男子は五輪長距離2冠のニルス・ファンデルプール(スウェーデン)が総合優勝。土屋陸が6位、ウイリアムソン師円(ともに日本電産サンキョー)は12位、大林昌仁(福井県スポーツ協会)は16位だった。

 止まりそうな脚を手で押しながら最後の5000メートルを滑り終えた。首位陥落の結果を確認した高木美は顔をしかめ、天井を仰ぎ見た。思わず浮かんだ苦笑いに、すがすがしい気分も入り交じった。「最後までよく粘れた。1番は取れなかったが、(自分を)褒めてあげたい」。死力を尽くした素直な感情だった。

 スハウテンに通算で6秒08差をつけて迎えた最終レース。北京五輪3冠の強敵から逃げ切るには心もとないリードだった。滑り慣れない距離で、できる限りのラップを刻んで7分1秒97は自己ベスト。しかし2度目の頂点には立てなかった。

 5種目でメダル4個を獲得した北京五輪から約2週間。移動などで満足な練習はほぼできず、疲労は残る。今大会、当然のように1位となった500メートルと1500メートルに本来のスピードはなく、ライバルたちを突き放せなかった。滑りの調子は悪くないと評するデビット・コーチも「短距離で速く滑るためには、本当にフレッシュでなければならない」と語った。

 全てを注ぎ続けるシーズンも12、13日のW杯最終戦(オランダ)で終わる。「本当に疲れた。一回ゆっくりしたい」。たくましい日本のエースが思わず本音をこぼした。

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