斉藤立「自分の柔道通用」父が見ていたら 「空港で一人打ち込みさせられていた」

 柔道のグランドスラム(GS)バクー大会で男子100キロ超級を制した、五輪王者の故斉藤仁氏の次男、斉藤立(19)=国士舘大=が10日、アゼルバイジャンから帰国後にオンラインで取材に応じた。ワールドツアー初出場ながら4試合全て一本勝ちという圧巻の内容で初優勝したホープは「いいスタートが切れた。パリに向けて勝ち続けないといけない」と、3年後の五輪出場へ決意を込めた。

 確かな手応えを得た斉藤の190センチ、160キロの巨体はさらに大きく見えた。昨春の大学入学後は腰痛やコロナ禍で出遅れたものの、ようやくシニア初のビッグタイトルを獲得し「ホッとした気持ちが一番強い。思ったより自分の柔道が通用したのと、直した方がいいこと(課題)もあった」と世界の猛者と渡り合う道筋をつけた。

 この優勝を父が見ていてくれたら?と問われると「たぶん握手して褒められた後、(父は)思い立ったらすぐ行動に移すので、空港で(反省の)一人打ち込みをさせられていたかも」と苦笑い。“柔道の鬼”は心の中でも優しく厳しく寄り添ってくれているようだ。

 覚醒を感じさせる大器だが、現状では東京五輪代表の原沢久喜(百五銀行)、世界王者の影浦心(日本中央競馬会)らを追う立場。来年1月の講道館杯からパリ五輪代表レースが本格的にスタートするだけに「まだまだ日本で勝たないといけないし、世界でも無名。出られる試合は勝ち続けないと(代表に)選ばれない」と気を引き締めた。

 ◆斉藤 立(さいとう・たつる)2002年3月8日、大阪府出身。父はロサンゼルス、ソウル五輪男子重量級金メダルの斉藤仁さん(享年54歳)。5歳から柔道を始め、父直伝の体落とし、内股などが得意技。大阪・上宮中3年時の16年に全国大会を制覇。父と同じ東京・国士舘高に進んだ。初の国際大会となった18年2月のロシアジュニアで優勝。シニアのワールドツアー初出場となった今月のGSバクー大会で初優勝。左組み。190センチ、160キロ。国士舘大2年。

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